あなたは、あなたの足のサイズに合った登山靴を正しく選ぶことはできますか?
足の形や大きさは人それぞれで異なります。
当然、その人に合う靴も人によって異なります。
足に合わない靴を履いて長時間歩き続ければ、例えば靴擦れになり、皮がむけて痛くて歩けないという事態にも陥りかねません。
そうならずに快適に安全に登山を楽しむためにも、あなたの足のサイズに合った登山靴の正しい選び方について今回はお話しいたします。
サイズが合った登山靴を選ぶ必要性と利点
サイズが合った登山靴を選ぶ必要性
登山では足下が不安定で険しい山道を重い荷物を背負って長時間歩きます。
このことは、足に掛かる負担が大きいだけでなく、足への負担の掛かり具合が多様だということも意味します。
この様な大きくて多様な負担が足に掛かる登山において、足を痛めず安全に快適に歩くためには、サイズが合った登山靴を選ぶ必要があります。
なぜならば、大きくて多様な負担が掛かるいずれの場面においても、常に靴を介して足が体を支ているからです。
例えば、歩く道の傾斜が急か緩やかかや、上りか下りか平坦かによっても、足への負担の掛かり具合は異なります。
例えば、足裏全体で着地するか、つま先側あるいはかかと側に片寄って体を支えるか、足裏の一部分だけで体を支えるかによっても、足への負担の掛かり具合は異なります。
例えば、土の上を歩くか、石がたくさん転がっている所を歩くか、岩場を歩くかによっても、足への負担の掛かり具合は異なります。
これらいずれにおいても、靴を介して適切に対応できなければなりません。
ですから、この様な大きくて多様な負担が足に掛かる登山において、足を痛めず安全に快適に歩くためには、サイズが合った登山靴を選ぶ必要があるのです。
サイズが合った登山靴を選ぶ利点
- あなたの足にピッタリとフィット
- あなたの足を的確にホールド
↓ ↓ ↓ - 足を痛めない
↓ ↓ ↓ - 歩きやすい
- 疲れにくい
- 安全
- 快適
あなたの足のサイズに合った登山靴とは、あなたの足にピッタリとフィットしています。
それならば、負担が足全体に均一に掛かるため、足のどこかが靴の内側に集中的に当たってその部分の皮がめくれてしまうということも起こりません。
また、あなたの足のサイズに合った登山靴とは、あなたの足を的確にホールドしてくれます。
それならば、靴の中であなたの足がむやみに動いて靴擦れができるということも起こりません。
つまり、登山靴があなたの足のサイズに合うと、靴によってあなたの足がしっかりと支えられ保護されるのです。
ですから、足を痛めずに済みます。
あなたの足のサイズに合った登山靴は歩きやすく、疲れにくく、安全に快適に登山を楽しむことができるのです。
あなたの足のサイズに合った登山靴を選ぶ7ステップ
- 登山靴を履く時に実際に使う厚手又は中厚手の靴下を履く
- 候補の登山靴のインソール(中敷き)を取り出す
- インソール(中敷き)の上にかかと側を合わせて立ち、つま先側に1~1.5cm位余りがあるかを確認する
- インソール(中敷き)を戻し、足の指を伸ばした状態で靴内部の先端に当たるように靴に足を入れる
- かかと側に手の指が一本程度入る隙間があることを確認する
- かかと側が靴に添うように足をズラして履き直し、靴紐をキッチリと締めて履き心地を確認する
- 実際に歩いて履き心地を確認する
ステップ1=登山靴を履く時に実際に使う厚手又は中厚手の靴下を履く
先ず、前提として、登山靴を履く時に実際に使う厚手又は中厚手の靴下を履くことです。
登山で使う靴下は、普段使いの靴下よりも厚みが厚い、厚手又は中厚手の靴下が適しています。
なぜならば、厚みが厚いことによって、登山という用途にも対応できるだけの十分なクッション性、吸汗性、吸湿性、保温性などが得られるからです。
なので、登山に適した厚手又は中厚手の靴下をあなたがお持ちでないならば、登山用の靴下を先に準備して下さい。
そして、その靴下を履いた足に合う登山靴を選んで下さい。
実際の登山では使わない靴下を履いた足に合う登山靴を選んでも意味がありません。
登山に適した靴下を選ぶ際には、 こちらの記事 をご覧下さい。
ステップ2=候補の登山靴のインソール(中敷き)を取り出す
ご自分の足のおおよそのサイズはお分かりだと思います。
ポイントは、靴下を履いた足の長さよりも1~1.5cm(手の指一本分の太さ)位大きな登山靴を選ぶことです。
ステップ3=インソール(中敷き)の上にかかと側を合わせて立ち、つま先側に1~1.5cm位余りがあるかを確認する
ポイントは、きちんと立って体重が掛かった状態で判定することです。
また、長さだけでなく幅も、つまり、足が横に大きくはみ出していないことも同時に確認します。
もちろん、これだけで全て終了という訳では決してありません。
その次に、実際に履いて確認することが必須です。
なぜならば、靴のサイズは足の長さと幅の二つの指標だけしか示されていません。
複雑な形をした立体である足の形状を、わずか二つの指標だけで表現するには無理があります。
例えば、足の長さも幅も合っている靴でも、甲の高さまで合っているかどうかは履いてみるまで分かりません。
ですから、靴のサイズ表記は参考値程度に受け止めて下さい。
なので、あなたの左右の足の長さや幅を厳密に測るということは必ずしもしなくて構いません。
そこに時間を費やすよりも、実際に履いてみて当たる所は無いか、違和感は無いか、履き心地は良いかなどを確認することに十分に時間を費やして下さい。
靴のインソール(中敷き)とあなたの足とを比べて大雑把に確認したら、あとは実際に履いてみて判断して下さい。
ステップ4=インソール(中敷き)を戻し、足の指を伸ばした状態で靴内部の先端に当たるように靴に足を入れる
ポイントは、足の指を伸ばした状態で靴に足を入れて行き、指先が靴内部の先端に当たるまで足の他の部分がどこも靴内部に当たらないことを確認することです。
当たる場合は、その靴はあなたの足には合いませんので却下します。
もっと大きいサイズの物か別のモデルの物から選びます。
ステップ5=かかと側に手の指が一本程度入る隙間があることを確認する
両足とも確認します。
左右で足の大きさが微妙に異なる人もいると思います。
その場合は大きい足の方を優先します。
ステップ6=かかと側が靴に添うように足をズラして履き直し、靴紐をキッチリと締めて履き心地を確認する
この段階で、当たる所がある、きつい、ゆるい等で履き心地が悪ければ、その靴はあなたの足には合っていません。
候補から外します。
ちなみに、靴紐の正しい締め方については、 こちらの記事 を参考にして下さい。
ステップ7=実際に歩いて履き心地を確認する
足を動かし、更には傾斜台なども歩き、フィットしている(当たる所が無い)かや、ホールドされている(靴の中で足がむやみに動かない)かを確認します。
キッチリと靴紐を締めていても下りで指先などが当たったり、上りでかかとが動いたりしたら、その靴はあなたの足には合っていないと判断しましょう。
30分以上、充分に時間をかけて試し履きをして違和感が無ければその靴は有力候補です。
履き心地を微妙に調節したり、足への負担を軽減したりするために、付属品ではなく、高機能なインソール(中敷き)に替えるという方法もあります。
興味のある方は、 こちらの記事 を参考にして下さい。
あなたの足のサイズに合った登山靴で楽しい登山を
登山をする際には、あなたの足のサイズに合った登山靴を正しく選ぶことが重要です。
そのための時間はかかりますが、手順は決して難しいものではありません。
あなたも、ここでお話ししたステップに沿ってあなたに最適な登山靴を選び、安全に快適に登山を楽しんで下さい。
もっと広く登山靴全般について詳しく知りたい方は こちらの記事 をお読み下さい。