ゴアテックスは、防水性も高く、かつ、蒸れも解消する素材です。
そんな高機能・高性能のゴアテックス採用のトレッキングシューズ(登山靴)ならば、雨の日やぬかるんだ山道でも安心して快適に歩くことができます。
今回は、そんな優れ物のゴアテックス採用トレッキングシューズ(登山靴)に関して、必要性や選び方、手入れの仕方とともに、行先や用途別にメンズとレディースそれぞれのおすすめを紹介いたします。
目次
ゴアテックスが必要な理由
登山やアウトドアに出掛ける際には、 “濡れ” から体を守ることが重要です。
その、 “濡れ” の原因になる水の出所は二つあります。
一つは、降って来る雨や、雨が地面に落ちた後にできた水たまりや沢のような体の外部から来る水です。
もう一つは、自分がかいた汗という体の内部から発生する水です。
その、どちらの “濡れ” からも体を守ることが重要です。
なぜならば、登山をすると、時には大量に汗をかくこともあります。
その一方で、登山で出掛ける先は標高が高く、従って、気温が低い所です。
“濡れ” の原因が何であれ、気温が低い環境下で、体や服等が濡れたままだと必要以上に体温を奪われ、ひどい場合は命にかかわります。
例えば、夏に、汗で濡れた服を着たまま冷房がよく効いた部屋に居て、寒い思いをした経験をお持ちの人もいると思います。
それと同じ事が登山中に起こらないようにするために、登山をする際には、 “濡れ” から体を守る対策が必要なのです。
ゴアテックスは、雨による “濡れ” からも汗による “濡れ” からも体を守ってくれます。
ゴアテックスとは、その様な高機能・高性能の素材なのです。
ゴアテックスは、膜の形状をしていて、表地と裏地に挟まれて靴のアッパーに組み込まれています。
ゴアテックスで足が覆われることによって、足が “濡れ” から守られるのです。
ゴアテックス とは?
ゴアテックスとは、素材メーカーであるアメリカのW.L.ゴア・アンド・アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商標名です。
防水透湿性素材とは、雨水や水たまり等の水の侵入を防ぐ(防水)一方で、人間がかいた汗は水蒸気として外部に逃がす(透湿)、これら二つの機能を併せ持つ素材のことです。
なぜそれが可能かと言うと、ゴアテックスは、水蒸気(水の分子一つ)は通すけど、水滴(水の分子が幾つも集まったもの)は通さない、絶妙な大きさの穴が多数開いている膜だからです。
ゴアテックスは、防水透湿性素材の最先発商品です。
以来、長い歴史と多くの実績があり、今でも、防水透湿性素材の中では最も有名であり高い性能と信頼性があります。
ゴアテックスのメリット
登山をすれば、足も汗をかきます。
また、「山の天気は変わりやすい」と言われるように、登山に行く際は雨に降られることも想定しておく必要があります。
雨に降られなくても、ぬかるみや水たまりや小川の浅瀬を通過することもあります。
例えばゴム長靴のような、水も水蒸気も全く通さない素材の靴を履いて山を歩いたなら、汗で靴の中が蒸れて不快な思いをするはずです。
ゴアテックスが使われた靴であれば、かいた汗を水蒸気として外部に逃がしてくれるために、蒸れを防ぐことができます。
その一方でゴアテックスは水を通さないので、雨に降られたり、ぬかるみや水たまりや水流の中に足を踏み入れたりしても、生地を通して靴の内部に浸水することはありません。
つまり、ゴアテックス採用の靴を履くことで、靴の中が蒸れず、濡れず、快適に過ごすことができるのです。
ゴアテックス採用トレッキングシューズ(登山靴)を選ぶ3つのポイント
【1】履き口の深さ(ローカットか、ミドルカットか、ハイカットか)
出典:MAMMUT公式
大雑把に、登山レベルが低い程履き口の深さも低く、逆に、登山レベルが高い程履き口の深さも高い物が適しています。
例えばハイキングや山の麓のよく整備された遊歩道の散策程度、あるいは街使いならば、ローカットの物でも構わないでしょう。
例えば日帰りや山小屋泊程度の荷物を背負って本格的な登山道に足を踏み入れるならば、ミドルカットやハイカットの物が良いでしょう。
例えば水や食料やテント泊装備一式全てを詰め込んだ重い荷物を背負ってアルプスを縦走するならば、ハイカットの物を強くお勧めします。
なぜならば、履き口の深さが高くなる程、足首の上の方までしっかりと覆われます。
そのため、足首を動かしづらくなるかもしれませんが、足首の捻挫が起こりにくくなるように保護してくれます。
他にも、履き口の深さが高くなる程、靴自体の重さも重くなる傾向があります。
靴が重くなると、歩みが重くなる反面、足元が安定するという効果も得られます。
なので、行く先の路面状況や背負う荷物の重さによって、足首の上のどこら辺まで覆うのが適当かも変わって来ます。
【2】ソールの硬さ
大雑把に、登山レベルが低い程ソールの硬さも軟らかめが、逆に、登山レベルが高い程ソールの硬さも硬い物が適しています。
ソールが硬くなる程、ソールが曲がりにくく普段履く靴とは感覚が異なりますが、尖った岩や石の上に乗っても安定して立って居られて、足裏が痛くならないように支えてくれます。
なので、行く先の路面状況に応じて適した硬さを備えたソールの靴を選ぶ必要があります。
例えば足元が上の様な所を歩く場合は、ソールに十分な硬さがあるトレッキングシューズがおすすめです。
ソールの硬さも、また、履き口の深さも、どちらも登山レベルと関連しています。
従って、ローカットよりもミドルカット、ミドルカットよりもハイカットと履き口が高くなるに連れて、ソールの硬さもより硬くなる傾向にあります。
いずれにしても、濡れた木道や急斜面などでもグリップ力が得られるように、普通の運動靴よりもソールの溝が深く作られています。
【3】余裕のあるサイズ
アップダウンのある山道を歩く場合は、足首よりもある程度上まで覆えるミドルカットやハイカットのトレッキングシューズが適しています。
トレッキングシューズのサイズ選びでは、余裕のあるサイズの物を選ぶのが良いです。
トレッキングシューズを選ぶ際は、その時に一緒に履く靴下を履いた状態で選びます。
ちなみに、靴下のおすすめは こちらの記事 をご覧下さい。
サイズの目安としては、厚手または中厚手の靴下を履いた上でプラス1cm程度大き目の物を選ぶと良いです。
あるいは、靴の中でつま先が靴の先端の内側に丁度当たるまで足を前にズラした時に、かかと側に手の指が一本入るくらいの隙間ができるサイズの物がおすすめです。
なぜならば、山道を歩けば、岩や木の根っこなどに足をぶつける可能性もあります。
そんな時でも足が保護されるように、トレッキングシューズは普通の靴よりもつま先部分が硬く頑丈に作られています。
また、下りでは着地時に靴の中で足が前にズレがちになります。
そんな時に、ミドルカットやハイカットのトレッキングシューズならば、足首近くのすねや甲部分でも体重を受け止めてくれるので、指先に負担が掛からないようになっています。
ですが、靴のサイズに余裕が無いと、指先が靴に当たり、指先に過剰な負担が掛かってしまいます。
それを避けて、下りでも指先が靴に当たらないようにするために、余裕のあるサイズのトレッキングシューズを選ぶのがポイントの一つです。
ゴアテックス採用トレッキングシューズ(登山靴)の手入れ方法
汚れを落とし撥水性を回復
ゴアテックスが使われているかどうかにかかわらず、使い終わったら、しっかりと汚れを落とします。
具体的には、
- ソールに付いた泥や汚れを洗い流す。
- ソールの溝に挟まった小石を取り除く。
- ソールとアッパーの境目に付いた泥や汚れを取り除く。
- アッパーに付いた泥や汚れを落とす。
などのことをします。
それに加えて、ゴアテックス採用トレッキングシューズでは、ゴアテックス対応の撥水スプレーを吹き付けて、アッパーの撥水性を保ちます。
“防水スプレー” と言う場合もあるかもしれませんが、より的確に厳密に言うならば “撥水スプレー” です。
なぜならば、ゴアテックスが高い透湿性能を発揮するためには、表面素材の撥水性が必要不可欠だからです。
表面素材に撥水性があれば、表面素材が水を弾き、水が水滴となって転がり落ちて行きます。
ですが、表面素材に撥水性が無いと、水が表面素材に浸み込んでしまいます。
その浸み込んだ水が、ゴアテックスを通して排出されるはずの水蒸気の通り道をふさいでしまいます。
そうならないように、ゴアテックス採用トレッキングシューズでは、汚れを落とすことに加えて、ゴアテックス対応の撥水スプレーを吹き付ける必要があるのです。
靴の中まで水が浸み込まなくすることは、ゴアテックスに防水性があるので、表面素材に防水性が無くても大丈夫です。
ですが、ゴアテックスが透湿性を発揮するためには、表面素材の撥水性が必要不可欠です。
なので、ゴアテックス対応の撥水スプレーを吹き付けることが重要なのです。
おすすめの撥水スプレーに関しては、 こちらの記事 をお読み下さい。
トレッキングシューズ(登山靴)の手入れ方法および保管方法に関して、より詳しくは こちらの記事 をご覧下さい。
ゴアテックス採用トレッキングシューズ(登山靴)のおすすめ5選
キャラバン:トレッキングシューズ C1_02S ゴアテックス
本格登山を志向する人には、足首の上までしっかり覆ってくれるこちらの商品がおすすめです。
登山入門者でも違和感なく履ける、キャラバン社の代表的なモデルです。
Amazonのハイキング・トレッキングシューズの売れ筋ランキングの上位にも位置する人気商品です。
今回紹介する中では比較的重いのが一長一短ですが、足元の安定化にはプラスに働きます。
男女共用
マムート:デュカン ミッド ゴアテックス
日帰りのハイキングからレベルの高い登山まで多目的に使うことができるミドルカットの靴をお探しの人にはこちらの商品がおすすめです。
比較的軽いため、軽快に歩くことができます。
デザインも良いですが、価格も比較的高いです。
男性用
女性用
サロモン:トレッキングシューズ エックス ウルトラ 3 ワイド ミッド ゴアテックス
ライトトレッキングやハイキングがメインでミドルカットの靴をお探しの人にはこちらの商品がおすすめです。
比較的軽く、ソールも柔らかめで歩きやすいです。
尖った岩や石が転がっている道を歩くにはソールの硬さが足りないかもです。
男性用
女性用
メレル:カメレオン 8 ストーム ゴアテックス
ハイキングがメインで、ガッチリと作られシッカリと足を保護してくれる上に足首の自由度が高いローカットの靴をお求めの人にはこちらの商品がおすすめです。
外側はガッチリ、内側は柔らかで履きやすく、メレル社の人気商品の一つです。
特徴的なデザインや色使いがオシャレで、日常でもアウトドアでも使えます。
男性用
女性用
メレルのカメレオン 8 ストーム ゴアテックスに関する詳細は、 こちらの記事 をご覧下さい。
アディダス:テレックス AX3 ゴアテックス
ハイキングがメインで、足首の自由度が高いローカットの靴の中でも 軽量 のハイキングシューズをお求めの人にはこちらの商品がおすすめです。
軽量ながら耐久性も併せ持っています。
価格が比較的安いのも魅力の一つです。
男性用
女性用
優れ物のトレッキングシューズ(登山靴)を履いて安全で快適な登山を
トレッキングシューズは、普段履きの靴や一般的な運動靴とは違って、そもそも
- 硬めのつま先 → 指先を衝撃から保護。
- 硬めのソール → 尖った岩の上でも安定。足裏を衝撃から保護。
- 溝が深いソール → 高いグリップ力があり、滑りにくい。
- 履き口の深さを選べる → 足首の捻挫の予防。
という多くの利点を備えた靴です。
その上にゴアテックスの防水透湿性能が付け加わったら、鬼に金棒です。
どの様なアウトドアシーンでも問題なく履くことができます。
あなたに最適な一足を見付けて、天候や路面状態の影響を受けず、あなたも安全に快適に山を楽しんで下さい。
もっと広く登山靴全般について詳しく知りたい方は こちらの記事 をお読み下さい。