日本一高く、世界遺産にも登録され、途中に山小屋も多くあり、登山ルートも明瞭で、人気も高い富士山には、一生の記念に一度は登ってみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
富士山は、天候に恵まれ体力が十分あれば、富士登山が人生初の登山だという人でも登山できる山だと言って過言ではありません。
とは言え、普段履いている普通の運動靴やスニーカーは富士登山では用を為しません。
今回は、安全に快適に富士山に登る際に必要な装備である登山靴に関して、その理由と選び方と共に、おすすめを紹介いたします。
目次
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キャラバン:トレッキングシューズ C1_02S ゴアテックス
富士山の登山道の様な小石や砂が広がる道を歩いても異物が中に入りにくく、足をくじいても捻挫しにくいミドルカット仕様の登山靴です。
富士山の登山道の様な尖った石やむき出しの岩がある上を歩いても足裏が保護されるソールの硬さが備わっています。
雨降りやの時やぬかるみを歩いても浸水せず蒸れにくい防水透湿性素材のゴアテックスが使われています。
比較的安価です。
比較的重いのが残念な点ですが、その代わり、耐久性に優れます。
男女共用
富士登山に登山靴(トレッキングシューズ)が必要な理由 = 普通の運動靴ではダメな理由
富士山の登山道には、溶岩が固まった岩や、それが砕けた砂利や小石がたくさん転がっています。
仮に御殿場ルートを下るとなると、途中、「大砂走り」と名付けられている砂場のような所を、足が砂の中に半分埋もれながら延々と下ります。
富士登山とは、極端に言うとこの様な悪路を、往復10時間程度歩き通さねばならないことを意味します。
この様な所を、普段から履き慣れているからと、普通の運動靴やスニーカーで行ったらどうなるでしょうか。
- 履き口が低く、くるぶしの下までしか覆われていない
├→ 靴の中に砂や小石が入りやすい
└→ 足首が不安定で捻挫しやすい - ソールが薄く、柔らかく、溝が浅い
├→ 尖った石の上に乗ると足の裏が痛い
└→ 踏ん張りが効かない - 防水仕様ではない
└→ 雨が降ると、水が浸み込んで来て、足元から冷える - 過酷な使用状況を想定して作られてはいない
└→ 靴が破損する(穴が開く、破れる、摩耗する)
これらの不備が、登山靴によって全て解決します。
登山靴とは、その様な優れ物なのです。
普通の運動靴やスニーカーで登ることが決して不可能な訳ではありません。
ですが、日常的に山道を歩き慣れている訳ではない初心者が安全に快適に富士登山をするならば、それに耐え得る仕様・機能・性能の靴、即ち登山靴を履いて登るのが得策です。
体力やスキルや経験の少なさを道具の優秀さで補うというのが有効な考え方なのです。
ただし、登山靴は普通の運動靴やスニーカーよりも履き口も高く頑丈に作られていますので、それだけ靴の重量も重く、体力を要することは承知しておいて下さい。
富士登山に適した登山靴の選び方(5つのポイント)
①ミドルカット又はハイカット
登山靴は、履き口の高さによってローカット、ミドルカット、ハイカットに分けられます。
出典:MAMMUT公式
これらのうちミドルカット又はハイカットの物が適しています。
つまり、足首のくるぶしよりも上までを覆える物が適しています。
なぜならば、これくらい上まで覆われていると、靴の中に砂や小石が入りにくくなります。
また、足首がしっかりと保持されるため、足場の悪い所に足を乗せても足首の捻挫が起こりにくくなります。
また、下りでは着地時に靴の中で足が前にズレがちになりますが、足の甲からすねにかけて(べろの部分)でも衝撃や体重を受け止めることができるため、指先が靴に当たらずに済むからです。
ですから、富士登山にはミドルカット又はハイカットの靴が適しているのです。
ちなみに、ローカット→ミドルカット→ハイカットと履き口の高さが高くなるにつれて、靴の中に砂や小石が入りにくくなり、足首が保持される度合いも高くなり、捻挫しにくくなる反面、足首を動かしづらくなり、靴の重量も増し、また、価格も高くなる傾向があります。
また、足首が捻れることを保護してくれる一方で、足首の曲げ伸ばしの動きは妨げにくくする工夫が施されています。
靴の話からは脱線しますが、靴の中に砂や小石がより入りにくくするには、スパッツ(ゲイター)の着用も有効です。
②硬くて溝が深いソール
ソールが硬ければ、尖った石や岩角等の上に乗っても、刺激が足の裏までは達しませんし、ソールが変形しないために体をしっかりと支えてくれます。
ソールの溝が深ければ、グリップ性能が優れ踏ん張りが効くため、足を滑らせて転んでケガをするようなことが起こりにくくなります。
他にも適した物はありますが、例えば「vibram(ビブラム)」と底に黄色で記されている物ならば大丈夫です。
③防水透湿性のアッパー
防水透湿性とは、外側からの水の侵入を防ぐ(防水性)一方で、内側で発生した汗を水蒸気として外に逃がす(透湿性)両方の機能を合わせ持つ性質のことです。
雨降りやぬかるみの中を歩く時に靴に防水性が無ければ水が靴の中に浸み込んで来てしまいますが、防水性があることで解決できます。
一方、足も汗をかき、透湿性が無いと靴の中が蒸れてしまいますが、透湿性があることで解決できます。
アッパーに防水透湿性があれば、これら両方を解決できます。
他にも適した物はありますが、例えば「GORE-TEX(ゴアテックス)」と記されている物ならば大丈夫です。
④余裕のあるサイズ
登山靴のサイズを選ぶ際は、余裕を持たせたサイズの物を選ぶのが良いです。
目安としては、厚手または中厚手の靴下を履いた上でプラス1cm程度大き目の物を選ぶと良いです。
あるいは、靴の中でつま先が靴の先端の内側に丁度当たるまで足を前にずらした時に、かかと側に手の指が一本入るくらいの隙間ができるサイズの物がおすすめです。
なぜならば、特に下りでは着地時に靴の中で足が前にズレがちになります。
この時に、靴のサイズに余裕が無いと、指先が靴に当たり、指先に過剰な負担が掛かってしまいます。
それを避けるために、余裕のあるサイズを選びます。
登山靴のサイズの正しい選び方に関して、詳しくは こちらの記事 を参考にして下さい。
ちなみに、靴下のおすすめは こちらの記事 をご覧下さい。
⑤あなたの足にフィットする
今までのことは、外見やカタログを見るだけでもわかるかもしれません。
ですが、実際に履いてみて足にフィットしなければ、どれだけ優れ物の靴であっても価値はありません。
例えば、ほんの一箇所足に当たる部分があるだけでも、長時間・長距離を歩き続けるうちに、その部分の皮がむけてしまったら痛くて登山どころではなくなります。
ですから、自分の足の形にピッタリと合った靴を選ぶことはとても重要です。
富士登山に適した登山靴のおすすめ3選
どれも、上で説明した①ミドルカット又はハイカット仕様で、②硬くて溝が深いソールが備わっており、③防水透湿性のアッパーが備わった物ばかりです。
比較表
キャラバン: トレッキングシューズ C1_02S ゴアテックス | マムート: デュカン ミッド ゴアテックス | メレル: カメレオン8ストームミッドゴアテックス | |
---|---|---|---|
履き口の高さ | ミドルカット | ミドルカット | ミドルカット |
ソール | キャラバントレックソール | ビブラムソール | ビブラムソール |
防水透湿性 | 有り(ゴアテクス) | 有り(ゴアテクス) | 有り(ゴアテクス) |
サイズ設定(cm) | 男女兼用:22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、27.5、28.0、28.5、29.0、30.0 | 男性用:25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、27.5、28.0、28.5、29.0、29.5、30.0、30.5、31.0、31.5 女性用:22.0、22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、25.5、26.0、26.5、27.0 | 男性用:25.0、25.5、26.0、26.5、27.0、27.5、28.0、29.0、30.0、 女性用:22.5、23.0、23.5、24.0、24.5、25.0、 |
片足分の参考重量 | 590g(26.0cm) | 470g(25.5cm) 400g(23.0cm) | 510g(27.0cm) 430g(24.0cm) |
キャラバン:トレッキングシューズ C1_02S ゴアテックス
比較的重いことは承知の上で比較的安価な物を望む人にはコレがおすすめです。
登山入門者から経験者まで幅広く支持され、富士登山にも適した、キャラバン社の代表的なトレッキングシューズです。
比較的安価です。
比較的重いのが残念な点ですが、その代わり、耐久性に優れます。
男女共用
マムート:デュカン ミッド ゴアテックス
比較的高価なことは承知の上で比較的軽い物を望む人にはコレがおすすめです。
日帰りのハイキングからレベルの高い登山まで多目的に使うことができ、富士登山にも適したトレッキングシューズです。
比較的軽いため、足を運びやすく疲れにくいという利点も備わっています。
比較的高価なのが残念な点です。
男性用
女性用
メレル:カメレオン8ストームミッドゴアテックス
おしゃれなデザインの物を望む人にはコレがおすすめです。
機能性に優れ、富士登山にも適したトレッキングシューズです。
更にはファッション性も加わり、アウトドアでもタウンでも幅広く活用できます。
幅が細めに作られているため足に合わない場合もあるかもしれません。
男性用
女性用
優れ物の登山靴を履いて安全で快適な富士登山を
富士登山では、街中の様には舗装されていない険しい登山道を10時間程度あるいはそれ以上歩きます。
当然、足や靴にも大きな負担が掛かります。
ですから、餅は餅屋と言うように、登山をする際にはそれに耐え得る靴を、つまり登山靴を履いて行く必要があります。
あなたも、ここで紹介した優れ物の登山靴を履いて、安全に快適に富士登山を楽しんで下さい。
もっと広く登山靴全般について詳しく知りたい方は こちらの記事 をお読み下さい。