登山は女性を中心に行なわれてきた活動という訳では無いので、登山に使われるリュックも女性が使うことを考えて作られているとは限りません。
その様なリュックを無理に使っていては、山で過ごす楽しいはずの時間も台無しになってしまうかもしれません。
その様な失敗を避けるために、女性向けに設計されていて、背負い心地も使い勝手も良く、高機能な上におしゃれな登山用リュックを今回はご紹介いたします。
サイト運営者の容量別イチオシ
日帰り 及び 食事付きの山小屋泊用 = 30 L クラス
オスプレー:カイト 36
この容量のリュックにはなかなか無い背面長調節機能付きで、しかも二つのサイズ設定があるため、どんな体形の人にも合わせやすい。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
自炊(素泊まり)の山小屋泊用 = 40 L 以上クラス
グレゴリー:メイブン 45
バックパック(リュック)は「背負うものではなく、身にまとうものだ」という考えを持っている会社が作った商品で、2020年にリニューアルされたモデル。
二つのサイズ設定がありそのそれぞれが背面長調節機能付きのため、どんな体形の人にも合わせやすい。
ショルダーストラップに、ポケットは付いていないが、サングラスを固定する機能付き。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
重量が比較的軽いことも嬉しい。
テント泊自炊用 = 60 L 以上クラス
モンベル:トレッキングパック 70 Women’s
当たる部分に応じてパッドの柔らかさを変えたウエストストラップは角度調節もできる。
収納部分本体の正面も逆U字形に開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
雨蓋を取り外して独立した臨時小型リュックとして使うことができる
国内有力メーカーの製品で価格が比較的安いことも魅力。
女性の体にフィットするリュックかどうかは何で決まるか
背負った時に体に接する部分の作りで決まる
リュックもカバンの一種でカバンは荷物を入れる物なのですが、その、荷物を入れる部分が女性用か男性用かで作り分けられている訳ではありません。
女性と男性とでは体の形や大きさが違いますので、女性の体にフィットさせるには、背負った時に体に接する部分が女性に合った作りになっている必要があります。
下の写真で言うと、左側の赤い枠で囲った部分の作りで決まるのです。
この部分が女性に合った作りになっている物をどの様にして選べば良いか、これからお話ししていきます。
女性に合った登山用リュックの選び方 = 服を選ぶのと同じ
登山用に作られ女性向けに設計された物を選ぶ - 大前提
用途が登山ならば登山用に作られた高機能の物を
登山で背負う荷物はかなり重いです。
なので、登山用リュックは、重い荷物を背負って長時間歩いても体に掛かる負担を減らす機能が沢山備わています。
例えば、リュックなら必ずあるショルダーストラップは、登山用であれば十分に幅が広く、また、肉厚のパッドが組み込まれていて、当たりが柔らかくなるように作られています。
登山用のリュックならばこのように登山に適した仕様に普通になっています。
服でも、ビジネス用とカジュアル用とスポーツ用で適した物が異なるのと同じように、リュックでも、登山に使うならば登山用に作られたリュックを選びます。
女性が使うならば女性向けに設計された女性に適した物を
女性と男性とでは体の大きさやボディラインなどが異なるため、男性向けに設計されたリュックでは体に合いません。
男性用のスーツを女性が着てもシックリ来ないのと同じです。
男性向けあるいは女性向けの設計とは、荷物を収納する袋部分の作りのことではなく、その袋に付いていて背負った時に体に固定するためのストラップ類や、体に接する面の作りのことです。
ストラップ類の長さや付いている角度や形状などが、女性用と男性用では微妙に異なるのです。
女性向けのリュックでは、例えば、左右のショルダーストラップの間隔が女性の肩幅に合わせてあったり、ショルダーストラップが胸から脇の下へと流れるラインが胸のふくらみに当たらない形になっていたり、ウエストストラップの角度が女性の骨盤の形状に合わせてあるなど、男性向けとは異なる設計になっています。
大きさも形も女性に合う設計になっているのです。
なので、女性に合ったリュックを選ぶならば、女性向けに設計された物を選ぶべきです。
背負い心地を良くする機能が備わった物を選ぶ - 先ずは見た目でわかるところから
背負い心地を良くする機能が備わっているかどうかは見ればすぐにわかります。
ポイントは2つあり、一つはウエストストラップが付いていること、もう一つは背面パッドが付いていることです。
リュックを体に固定し荷重を分散させるウエストストラップ
登山用のリュックであれば、幅広肉厚のウエストストラップは絶対に必要です。
登山では、大きな段差を乗り越えたり、道に張り出した木の下をくぐったりと、体を大きく動かす必要に迫られることがあります。
こんな時に、ショルダーストラップしか無いと、荷物が背中からズレてしまい動きづらいですが、ウエストストラップがそれを防いでくれます。
また、ショルダーストラップしか無いと、荷重が両肩ばかりに掛かってしまいますが、ウエストストラップがあることで、荷重を腰にも分散させることができ、体に掛かる負担を減らすことができます。
なので、ウエストストラップが付いている物を必ず選びます。
背負い心地を良くする背面パッド - フィット感、クッション性、通気性
リュックが背中に接する面には背面パッドがあると背負い心地が増します。
先ず、背面パッドは女性の背中の形に合わせて作られているのでフィット感が増します。
そのため、荷重が背中全体にほど良く掛かり、背負い心地が良くなります。
また、背面パッドはクッション性も良くしてくれます。
そのため、中に硬い物を詰めても、背面パッドが当たりを和らげてくれます。
更に、背面パッドは通気性も良くしてくれます。
背面パッドやそれらの間にある溝や隙間が汗を逃がしてくれるため、背中が濡れにくく快適になります。
なので、フィット感やクッション性や通気性を良くする背面パッドが付いている物を必ず選びます。
軽いことよりも高機能を優先
登山では荷物が軽いことは大きな利点ですし、男性よりも力が弱い女性にとってはなおさらです。
一方、高機能にするために、例えば先程お話ししたウエストストラップや背面パッドを付け加えるとリュックの重量が増えてしまい、体に掛かる負担も増えるのではと思うかもしれません。
ですが、高機能にすることによってもたらされる恩恵は、高機能にすることによって引き起こされる重量増を打ち消して余りあります。
なので、背負い心地を良くする機能が備わっている方を優先して選ぶことをおすすめします。
その上で軽い物を選ぶという順番にするのが良いです。
体にフィットする物を選ぶ - 実際に背負ってみるのが一番
たとえ女性向けに設計されているという共通点がある物でも、個人差というものがまだありますし、服にもサイズが異なる商品設定があるように、リュックにもサイズがあります。
リュックの「サイズ」とは、「“背負う人”がどれくらいの体格であることがふさわしいかを示す指標」であり、「“リュック”がどれくらいの量の荷物を収容することが可能かを示す指標」である「容量」とは別物です。
体にフィットするリュックを選ぶにはサイズが合った物を選ぶ必要があり、サイズは背面長によって決まります。
背面長を合せる
リュックの背面長とは、ショルダーストラップの付け根からウエストストラップの下端までの長さです。
あなたの背面長は、あなたの第七頚椎(あごを引いたとき首の後ろで一番出っ張っているところ)から骨盤の上端までの長さです。
これらの長さが一致していれば最適ですが、プラスマイナス5cm程度であれば許容範囲内で、ショルダーストラップ等の締め具合で調節可能です。
物によっては、ショルダーストラップの付け根の高さ、つまり背面長を変えることができ、これだとより一層合わせやすいです。
リュックの背面長が長くなるとそれに伴ってウエストストラップも長くなることがありますので、あなたの背面長が複数のサイズの許容範囲内に入る場合は、あなたがスリムならば小さいサイズの方を、あなたがポッチャリならば大きいサイズの方を選ぶと良いかもしれません。
使いやすいことも重要
ここまでの話は、主に背負い心地を良くするためのことで、荷物の収納部分に関してではなく、そこに付いているストラップ類やパッド類に関する話でした。
ここからの話は、使い勝手を良くするためのことで、荷物の収納部分に関する話をします。
ポケットが使いやすい物を選ぶ
女性は男性よりも持ち歩く小物類が多いはずです。
なので、それらの小物を分けて整理して入れておけるように、ポケットが沢山あるリュックを選ぶ方が使いやすいです。
リュックの正面や側面や上部(雨蓋部分)など、リュックのあちこちにポケットを付けることは可能なので、自分の使いやすい位置にポケットが付いているか確認しておきましょう。
ウエストストラップや物によってはショルダーストラップにまでポケットが付いているものもあり、これだとリュックを背負ったままでもポケットの中味を出し入れできるため重宝します。
雨対策にレインカバーも必要
山の天気は変わりやすいです。
登山中に雨が降って来たら、人間もレインウェアを着るように、リュックにもレインカバーを被せます。
専用のレインカバーが付属している物もありますが、付いていなければ、リュックの容量に合ったレインカバーを一緒に購入しておきます。
おしゃれでかわいい色やデザインなら愛着も増す
登山中ずっと背負って歩くリュックですから、見た目の良さも重要です。
体にフィットして背負い心地が良いことが優先しますが、その上で色やデザインも気に入った物が見付かれば更に良いです。
日数や宿泊形態に応じて容量を選ぶ
リュック容量の目安
山行形態 | 容量の目安 |
---|---|
日帰り 及び 食事付きの山小屋泊 | 30 L 程度 |
自炊(素泊まり)の山小屋泊 | 40 L 以上 |
テント泊 | 60 L 以上 |
この表はあくまで目安です。
日帰りでもガスバーナーなどを持って行きお湯を沸かしてコーヒーを楽しむのも有りですし、積雪期ならば寒さや雪に備えての装備が増えます。
テントや寝袋などのテント泊装備を持って行くか行かないかで、容量が75Lと40Lの二つのリュックを使い分けている人もいます。
容量が75Lや40Lと聞くと随分と大きいと感じるかもしれませんが、それでも入りきらない荷物をリュックの外にくくり付けて運んだりもします。
逆に、リュックの容量よりも荷物の量がはるかに少なく容量が余る場合は、登山用リュックならば、収納部分を圧縮してコンパクトにまとめる機能が付いており、大は小を兼ねるということが当てはまりますのでご安心下さい。
行先や楽しみ方を想像して、迷ったら容量の大きい方のリュックを選ぶことをお勧めします。
容量別おすすめ9選
先にお話しした、「登山専門メーカーが女性向けに設計された物」であることと、「高機能・高性能のウエストストラップや背面パッドも付いている」ことと、「ポケットが使いやすい物」であることのすべての条件を満たした物を厳選いたしました。
容量が小さい物から順に紹介していきます。
日帰り 及び 食事付きの山小屋泊用 = 30 L クラス
比較表
メーカー: 商品名 | マウンテンダックス: シフティー 32 S | オスプレー: カイト 36 | ノースフェイス: W テルス 30 |
---|---|---|---|
容量(L) | 32 L | XS/S:34 L S /M:36 L | M:35 L L:36 L |
リュックの 背面長(cm) | 43 cm (固定式) | XS/S:33-43 cm S /M:40.5-51 cm (可変式) | ― (固定式) |
背負う人の 適応背面長(cm) | ― | ― | M:39-47 cm L:42-50 cm |
重量(g) | 1,140 g | XS/S:1,380 g S /M:1,470 g | M:1,250 g L:1,270 g |
レインカバー | 付属 | 付属 | 付属 |
マウンテンダックス:シフティー 32 S
日本人の体型と日本特有の厳しい自然環境に適したモノづくりをコンセプトとしている日本の会社の商品。
この容量のリュックにはなかなか無いスライド式の雨蓋を上下に移動させて容量を増減できる機能がある。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
オスプレー:カイト 36
この容量のリュックにはなかなか無い背面長調節機能付きで、しかも二つのサイズ設定があるため、どんな体形の人にも合わせやすい。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
ノースフェイス:W テルス 30
アウトドアメーカーでありながら街使いにも転用できるファッション性の高さも合わせ持つ商品を作ることで知られる会社の定番の商品。
収納部分本体の荷物の出し入れ口は上部のみのシンプルな作り。
自炊(素泊まり)の山小屋泊用 = 40 L 以上クラス
比較表
メーカー: 商品名 | ミレー: サース フェー 40+5 LD | グレゴリー: メイブン 45 | カリマー: クーガー グレイス 45-60 |
---|---|---|---|
容量(L) | 40-45 L | XS/SM:42 L SM/MD:45 L | 45-60 L |
リュックの 背面長(cm) | 43 cm (固定式) | XS/SM:33-43 cm SM/MD:41-51 cm (可変式) | 39-47 cm (可変式) |
重量(g) | 1,540 g | XS/SM:1,470 g SM/MD:1,500 g | 2,440 g |
レインカバー | 付属 | 付属 | 別売 |
ミレー:サースフェー 40+5 LD
「ファーストクラスの背負い心地」をコンセプトにしている会社が、女性の身体にフィットするように作った、ハイキングから本格縦走まで幅広い用途に対応する定番の商品。
ウエストストラップに付いているポケットが折りたたみ式で比較的大きな物も収納でき、更に、ショルダーストラップにも小さいながらポケットが付いている。
グレゴリー:メイブン 45
バックパック(リュック)は「背負うものではなく、身にまとうものだ」という考えを持っている会社が作った商品で、2020年にリニューアルされたモデル。
二つのサイズ設定がありそのそれぞれが背面長調節機能付きのため、どんな体形の人にも合わせやすい。
ショルダーストラップに、ポケットは付いていないが、サングラスを固定する機能付き。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
重量が比較的軽いことも嬉しい。
カリマー:クーガー グレイス 45-60
登山をはじめ熱帯雨林や砂漠などの様々な困難なフィールドでの活動を可能にする挑戦を続けている会社が作った、機能性と快適性を兼ね備えた女性向けの商品。
60 L にまで容量を増やせる大きさのためか、比較的重い。
テント泊自炊用 = 60 L 以上クラス
比較表
メーカー: 商品名 | ドイター: エアコンタクト 60+10 SL | モンベル: トレッキングパック 70 Women’s | グレゴリー: ディバ 80 |
---|---|---|---|
容量(L) | 60-70 L | 70 L | XS:76 L S :80 L M:84 L |
リュックの 背面長(cm) | ? (可変式) | 42-52 cm (可変式) | ? (可変式) |
重量(g) | 2,400 g | 2,270 g | XS:2,160 g S :2,200 g M:2,350 g |
レインカバー | 付属 | 付属 | 付属 |
ドイター:エアコンタクト 60+10 SL
登山者のパフォーマンスを高めることを目指している会社が作った、テント泊縦走や長期旅行などのハードな使用に耐えうる女性向けの商品。
収納部分本体の正面もU字形に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
雨蓋を取り外して独立した臨時小型リュックとして使うことができる
モンベル:トレッキングパック 70 Women’s
当たる部分に応じてパッドの柔らかさを変えたウエストストラップは角度調節もできる。
収納部分本体の正面も逆U字形に開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
雨蓋を取り外して独立した臨時小型リュックとして使うことができる
国内有力メーカーの製品で価格が比較的安いことも魅力。
グレゴリー:ディバ 80
バックパック(リュック)は「背負うものではなく、身にまとうものだ」という考えを持っている会社が女性向けに作った最も容量が大きい商品。
ショルダーストラップに、ポケットは付いていないが、サングラスを固定する機能付き。
収納部分本体の正面もU字形に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
収納部分本体の内ポケットを取り出して独立した臨時小型リュックとして使うことができる。
餅は餅屋にと言うように
女性に合った登山用リュックを選ぶには、先ずは登山用に作られていて、更に女性向けに設計された物を選ぶところから始めます。
女性向けに設計されていますから、単に高機能なだけでなく、色使いやデザインもおしゃれになる所まで考えられています。
背負い心地も使い勝手も良く、高機能な上におしゃれなリュックで山に出掛ければ、楽しさも快適さもアップして、心も体も大満足な登山になることでしょう。
そんな優れ物をお供に(背中に)従えて、あなたも山を存分に楽しんで下さい。
日帰り 及び 食事付きの山小屋泊用 = 30 L クラス
オスプレー:カイト 36
この容量のリュックにはなかなか無い背面長調節機能付きで、しかも二つのサイズ設定があるため、どんな体形の人にも合わせやすい。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
自炊(素泊まり)の山小屋泊用 = 40 L 以上クラス
グレゴリー:メイブン 45
バックパック(リュック)は「背負うものではなく、身にまとうものだ」という考えを持っている会社が作った商品で、2020年にリニューアルされたモデル。
二つのサイズ設定がありそのそれぞれが背面長調節機能付きのため、どんな体形の人にも合わせやすい。
ショルダーストラップに、ポケットは付いていないが、サングラスを固定する機能付き。
収納部分本体の側面も縦方向に大きく開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
重量が比較的軽いことも嬉しい。
テント泊自炊用 = 60 L 以上クラス
モンベル:トレッキングパック 70 Women’s
当たる部分に応じてパッドの柔らかさを変えたウエストストラップは角度調節もできる。
収納部分本体の正面も逆U字形に開き荷物を出し入れしやすい作りになっている。
雨蓋を取り外して独立した臨時小型リュックとして使うことができる
国内有力メーカーの製品で価格が比較的安いことも魅力。
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