雲ノ平周遊記。おすすめルートとともに百名山、山岳展望、お花畑、山奥の秘湯、満天の星空と流れ星、雷鳥との出会い、おいしい水と空気など盛り沢山の魅力の完全ガイド!~その1:概略~

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登山者のあこがれ?の 雲ノ平

北アルプスの雲ノ平。

「日本最後の秘境」とも「北アルプスの奥座敷」とも言われている程で、登山をする人にとっては魅力的な所ではないでしょうか。

深田久弥が選定した日本百名山の制覇を目指している人なら、近くにはNo.50薬師岳、No.51黒部五郎岳、No.52水晶岳(黒岳)、No.53鷲羽岳があり、合わせて訪れると効率良く登頂できるのではないでしょうか。

岩苔小谷から見た薬師岳
雲ノ平から見た黒部五郎岳
高天原山荘から見た水晶岳(黒岳)
三俣蓮華岳から三俣山荘への下り道から見た鷲羽岳

百名山以外にも、祖父岳や、三俣蓮華岳や、双六岳などの素敵な山がありますし、稜線歩きでは周囲の山並みの大展望が続きます。

槍ヶ岳や笠ヶ岳も見ることができます。

稜線上でも、稜線から外れても、あちこちで高山植物のお花畑を見ることもできます。

大群落からほんの数本まで、規模は様々です。

チングルマ
ハクサンイチゲ
ハクサンフウロ
ニッコウキスゲ
ミヤマキンバイ
ウサギギク
トリカブト
アザミ

足を延ばせば「日本一遠い温泉」とも言われる山奥の秘湯の高天原温泉に入ることもできます。

高天原温泉(「からまつの湯」という名前がついているらしい)

筆者は、仕事を変えた10年位前までは、夏、お盆休みになると毎年のように10年以上に渡って雲ノ平やその周辺に出掛けていました。

なぜならば、山の奥深くにあるため、まとまった日数が必要になります。

当時していた仕事では、夏にまとまった休みが得られるのは8月のお盆休みくらいしか無かったからです。

そして、夏休みになると、毎年毎年、何度訪れても飽きない程に盛り沢山の魅力が詰まった所だからです。

様々な楽しみ方ができる!雲ノ平周遊

この時期の雲ノ平およびその周辺は、私が何度でも行きたい所です。

★お盆休みの雲ノ平周辺の魅力

  • 百名山4座に囲まれている。
  • 晴れれば、素晴らしい山岳展望が見られる。
  • 登山道を覆っていた残雪が無くなり歩きやすい。
  • 多様な高山植物が咲き誇るお花畑が見られる。
  • タイミングが良ければ、雷鳥に出会える。
  • 満天の星空や天の川が見られる。
  • 流れ星がかなりの高確率で見られる。
  • 足を延ばせば、夏季限定の温泉に入れる。
  • 空気や水がおいしい。
  • 大学医学部が夏季臨時診療所を開設している山小屋がある。
       などなど

百名山に囲まれている

雲ノ平は、深田久弥が選定した日本百名山のNo.50薬師岳、No.51黒部五郎岳、No.52水晶岳(黒岳)、No.53鷲羽岳などの山々に囲まれた地とも言うことができます。

雲ノ平のすぐ東側には水晶岳(黒岳)があります。

雲ノ平に泊まると、朝は水晶岳(黒岳)の向こうの辺りから日が昇るのではないでしょうか。

雲ノ平の南東側、水晶岳(黒岳)のすぐ南側に鷲羽岳があります。

雲ノ平の南西側には黒部五郎岳があります。

山は見る方向によって姿かたちが変わりますが、雲ノ平方面から見る黒部五郎岳の姿が私は好きです。

雲ノ平の北西側には薬師岳があります。

薬師岳の頂上には、夏季限定とのことですが、金色に輝く薬師如来像がお堂の中に祀られていて、拝むこともできます。

北アルプスの山奥深くの雲ノ平をせっかく訪れたなら、合わせて、百名山を効率良く登頂しても良いのではないでしょうか。

晴れた日の稜線歩きは山岳展望がバッチリ!

この時期に限ったことではないかもしれませんが、晴れれば、雲ノ平やその周辺巡りでは北アルプスをはじめとする山並みをずっと眺めながら歩くことができます。

なぜならば、雲ノ平やその周辺は森林限界よりも標高が高い所が多いので、晴れれば視界を遮る物は何も無くなるからです。

なので、贅沢な時間を満喫できます。

登山道から残雪が消えて歩きやすくなる!

8月のお盆休みよりも約1か月前の海の日の連休に同じルートを歩いたことがありました。

その時、稜線の登山道の一部が雪で覆われている所がありました。

いつも、お盆休みに来ていた時にこの場所が雪で覆われていたことはありませんでした。

同じ年の約1か月後、再びここを通った時には雪は無くなっていました。

海の日の連休も、梅雨が明けていれば、山を楽しむのに適した時期です。

ですが、お盆休みなら、雪解けがさらに進んでいるため、一層歩きやすくなります。

それでも、稀にこのような所もありますのでご注意下さい。

あちこちに多様な高山植物のお花畑!

山岳展望は晴れた日限定ですが、この時期は天気に関係無く、夏の花も秋の花もどちらも見ることができます。

なぜならば、この山域では、雪が融けると一気に夏になります。

雪解けに続いて開いた夏の花が、この時期にはまだ残っているため、夏の花を楽しむことができます。

一方で、この時期は、暦の上ではもう秋です。

秋になれば秋の花も当然咲きます。

なので、この時期には、夏の花も秋の花も同時に楽しめるという贅沢な体験をすることができます。

コバイケイソウ
ゴゼンタチバナ

雷鳥が時には親子連れで!

曇って展望が開けない時だからこそのサプライズもあります。

それは、野生の雷鳥が姿を現わすことです。

なぜならば、晴れた日に雷鳥がうかつに姿を現わすと、上空を飛んでいるトンビやタカやワシなどの猛禽類に見付かって食べられてしまうからだそうです。

雷鳥にとって天敵の猛禽類から見付からないように、雷鳥は、普段はハイマツの陰などに身を潜めているそうです。

そして、天気が曇りで上空から見つかる恐れが無い時に限って姿を現わすのだそうです。

曇っていると、山岳展望が楽しめなくて気持ちも沈みがちになるかもしれませんが、そんな時こそ雷鳥に出会えるチャンスかもしれません。

曇りの日ならではの楽しみ方の一つです。

満天の星空や天の川!

天気が晴れていることが前提ですが、雲ノ平で見る星空は、普段よりも沢山の星が見ることができます。

なぜならば、雲ノ平は山奥にあり、街の光に邪魔されないからです。

普段見ている星空は、街の光にかき消されて、暗い星が見えなくなってしまっています。

昼間の明るい時に部屋の明かりをつけても気付かず、外が暗くなってようやく気付くのと同じです。

雲ノ平では、晴れていれば、星が異常発生したのでは思うくらい沢山の星を見ることができます。

更には、天の川も見ることができます。

私は最初は雲かなと思っていたのですが、近くで星空を眺めていた登山者たちから漏れ聞こえてきた会話で、それが天の川であることを知りました。

泊りで山へ出かけた時は、星空も是非楽しんでみて下さい。

流れ星にも期待!

同じく天気が晴れていることが前提ですが、この時期ならではの楽しみの一つは流れ星を見ることです。

と言うのは、毎年8月13日の辺りがペルセウス座流星群の極大日とのことだからです。

街の光に邪魔されない山の奥地で、満天の星空も、天の川も、更には流れ星も、夜をどうぞ満喫して下さい。

夏季限定の秘湯の高天原温泉!

下山してからではなく登山中に温泉に入れるとしたら、これほど贅沢な山での過ごし方も無いかもしれません。

雲ノ平の北に、「日本一遠い温泉」とも呼ばれる高天原温泉があります。

雲ノ平からなら約3時間です。(もちろん徒歩でしか行けません。)

この辺りは、長野県と富山県と岐阜県の三県の県境近くに位置します。

高天原温泉への最寄りの登山口は、(最寄りのという表現は誤解を招くかもしれませんが、)長野県なら高瀬ダム、富山県なら折立、岐阜県なら新保高温泉の三箇所あります。

これらの登山口から高天原温泉に最短ルートで向かったとして、どの登山口からでも、たどり着くまでに一泊二日かかります。

つまり、登山口を朝出発して、その日のうちに高天原温泉にはたどり着けないくらい奥地にある秘湯だということです。

ワイルドな露天風呂も、混浴風呂も、女性専用風呂もあります。

近くに(と言っても片道20分くらいですが)ある高天原山荘が管理していて、山荘の営業期間中しか温泉にも入れなかったと記憶しています。

雲ノ平に行くなら、高天原温泉にも是非足を延ばしてみて下さい。

空気や水がおいしい!

街から離れた山奥ですから、空気がおいしいことは言うまでもありません。

程良い間隔で存在する山小屋やテント場でも水は手に入りますし、途中の道でも飲み水が汲める所があったりもします。

黒部五郎のカールから流れる水はキンキンに冷えていておいしく、私のお気に入りの場所の一つです。

岩苔乗越から高天原方面に少し下った所にも、知らないと気付かずに通り過ぎてしまう小さな水場があります。

岩苔小谷の水場

山小屋やテント場で水をしっかり補給して出発すればほとんど支障なく過ごせると思いますが、水場のありかを沢山知っておくに越したことはありません。

夏季臨時診療所が開設されている山小屋がある!

雲ノ平周辺の山域では、太郎平小屋と三俣山荘と、少し足を延ばすと双六小屋で、夏季臨時診療所が開設されていました。

新型コロナウィルスの影響で、今年の夏も例年通り開設されるかどうかは未知数です。

ですが、もしも開設されるなら、万が一体調を崩してどうしてもという時には、とてもありがたく心強い存在です。

頭の片隅にメモしておくと良いと思います。

予告はこれくらいにして、私がこの山域を実際に歩いた時の様子について、次から順番にお話しいたします。

この記事を書いた人

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丹羽 英之

登山歴は20年以上。山岳展望や花(高山植物)を見ることが好きで、北アルプスの雲ノ平周辺によく行きます。一人で山に登ることが多く、気ままに山道を歩き、心の癒やしやリフレッシュをすることも登山の目的の一つです。

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