時刻をはじめとして登山に必要かつ有用な情報が得られる登山時計は登山をする上では欠かせない便利な道具です。
最近はスマートウォッチも登場し、機能が多く、得られる情報も豊富で、様々に活用することも可能です。
その一方で使いこなせなかったり電池の持ちが短かかったり価格が高くなったりというデメリットも生じかねません。
そこで今回はあなたに最適な登山時計をどの様に選べば良いか、および具体的なおすすめの機種を紹介いたします。
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カシオ:プロトレック クライマーライン PRT-B50-2JF
スマホと連携させればGPS機能も使えます。
年単位の動作時間があり、充電式のように毎日充電する必要がありません。
時刻表示がアナログ式で、感覚的に時刻を知ることができます。
日の出・日の入り時刻表示や温度計機能も付いています。
電波による時刻補正機能やソーラー充電の機能は付いていません。
スマートウォッチ機能は付いていません。
登山時計の必要性と有用性
登山時計とは、大きさは腕時計程度で、単に時刻を知ったり時間を計ったりできるだけでなく、登山をする際に有用な他の情報も得られる高機能の計器です。
登山において行程管理はとても重要です。
なぜならば、予定通りに下山したり目的地に到着したりできなければ遭難につながりかねず、自分の命が危なくなったり他の人に迷惑をかけたりすることにもなるからです。
行程管理をする上では「時」も「所」もどちらも把握する必要があり、登山時計ならばこれらのどちらの確認にも有用な情報が得られます。
例えば、登山時計ならば時だけでなく、自分が今居る地点の標高や自分が向いている方位を知ることができます。
更には、時計内で地図が見られて自分が辿ってきた足取り等を知ることができる物もあります。
登山時計とは、この様に登山という活動をサポートする有用な情報が得られる高機能ツールなのです。
では、登山時計にどのような機能があるかを次でお話しいたします。
登山時計の機能
登山時計の基本の3機能
- 高度計
- 気圧計
- 方位計(コンパス)
登山時計は、普通の時計の機能に加えて、高度計、気圧計、方位計(コンパス)という3つの機能が付加されています。
高度計(Altimeter)、気圧計(Barometer)、コンパス(Compass)それぞれの頭文字を取って「ABCウォッチ」と呼ばれることもあります。
高度計および気圧計
登山中に自分が今居る地点の高度(標高)がわかると、現在地を特定するのに大いに役立ち、行程管理をする上で重宝します。
実は、高度(標高)を直接計っている訳ではなく、高度(標高)が100m上がると気圧が約10hPa下がるという関係を基に高度(標高)に換算しています。
なので、高度計と気圧計は同じ物を別の角度から見ていると解釈することもできます。
方位計(コンパス)
コンパス機能は手ごろに活用できますが、太陽が見えない場合や万が一電池が切れた場合も想定して、昔ながらのオイルコンパス(方位磁針)と磁北線を引いた地形図も併用することをお勧めします。
登山時計の持つその他の機能
- GPS
- 日の出・日の入り時刻表示
- 温度計
- スマートウォッチ機能
登山時計は、高度計、気圧計、方位計(コンパス)という基本の3の機能の他にも様々な機能を持つ物が今では出回っています。
GPS
現在地の特定の精度が上がるだけでなく、自分が辿った足取りを記録できる物もあるため、登山記録としても活用できます。
日の出・日の入り時刻表示
行動を開始する、あるいは終了する目安を設定するのに役立ちます。
温度計
服装を選ぶ目安に活用することもできます。
ですが、真冬でも汗だくになることも、真夏でも寒く感じることもありますので、自身の感覚を優先して快適に過ごせる服装を選んで構いません。
腕に着けていると自分の体温の影響を受けてしまうため、正確に気温を計りたい場合は身体から離しておく必要があります。
スマートウォッチ機能
例えば心拍数や血中酸素量や消費カロリーを計ることができる物なら、体調を把握したり、バテないようにペースを調節したりもできます。
更には、例えばミュージックプレイヤー機能付きなら、お気に入りの曲を流して、辛い上りで自分を励ましたり、天候の悪い中を歩く際のモチベーションの維持に役立てたりもできます。
登山時計の選び方
登山時計とは普通の時計の機能に加えて、基本的に高度計、気圧計、方位計(コンパス)という3つの機能が付加されている物という前提で話を進めて行きます。
仕様を選ぶ
防水性 & 耐衝撃性
防水性や耐衝撃性が備わっていることは前提条件です。
なぜならば、登山という過酷な自然環境下で活動する際に使う時計ですから、水や衝撃に耐え得る頑丈さが必要です。
防水性能が高ければ、それに伴って耐衝撃性も高くできています。
10気圧防水程度あれば十分です。
バックライト
暗がりでも使えるように、バックライトは必須です。
付いている物を選びます。
アナログ式 or デジタル式
ここで言っているのは時刻表示がアナログ式かデジタル式かということです。
他のデータがデジタルで表示されても時刻表示がアナログ式ならばアナログ式とみなします。
感覚的に時刻を知りたい人はアナログ式を、数値で時刻を知りたい人はデジタル式を、あなたの好みで選んで構いません。
駆動方式および動作時間(ソーラー充電式 or 電池式 or 充電式)
ソーラー充電式
ソーラー充電式は屋外で太陽光に当たっていれば充電できているので電池切れの心配は無用です。
ですが、蓄電池には寿命(目安は10年程度)があり、例えば時計が遅れがちになったりしたら蓄電池の交換時です。
電池式
電池式はソーラー充電式よりも短いサイクルで電池交換の必要が生じます。
と言っても、年単位で動き続けてくれます。
充電式
充電式とはいわゆるスマートウォッチのことを指しており、多機能であるが故に、一回の充電でせいぜい数日しか動きません。
なので、長期間山に入りたい人はそのための予備バッテリーを持つなど、登山期間中に充電し直せる対策が必要になります。
充電式であるかどうか、言いかえるとスマートウォッチであるかどうかで動作時間や価格が大きく異なる傾向にありますので、この点を考慮に入れてお選び下さい。
電波時計かどうか
時刻合わせをする必要が無い電波時計であるに越したことはありません。
ですが、電波時計でなくても誤差はあまり支障の無い範囲内です。
電波時計にこだわってもこだわらなくても、あなたの好みで決めて構いません。
その他の選ぶポイント
動作時間
GPS機能付きの物は付いていない物と比べて動作時間が短くなる傾向にあります。
同様に、スマートウォッチ機能付きの物も付いていない物と比べて動作時間が短くなる傾向にあります。
なぜならば、これらの機能は他の機能と比べてより多くの電気を必要とするからです。
ですが、仮にこの傾向から外れて、これらの機能が付いていても動作時間が長いならば、多くの電気を消費しても長時間動き続けることができる仕様になっているため、価格が高くなる傾向にあります。
この様な関係を理解した上で選ぶと良いと思います。
過不足なく機能が備わっている
機能が多く備わっていればいる程あなたにとって優れた道具になるとは限りません。
なぜならば、使わない機能は備わっている意味がありません。
また、備わっている機能が増える程価格も上がり、電池の消耗も早くなる傾向にあるからです。
私の判断でアドバイスするなら、
高度計:必要(時刻の他で、登山時計の一番の用途))
気圧計:不要(天気は数値ではなく空模様を見て判断)
方位計(コンパス):不要(正式にはオイルコンパスと地形図が優れる)
GPS:できれば欲しい(有ればいざという時役立つ)
日の出・日の入り時刻表示:どちらでも良い(入山前に調べておく)
温度計:不要(数値よりも自分の感覚に合わせて対処)
スマートウォッチ機能:人それぞれ(あなたの登山スタイルにそれらデータが必要かどうかで判断)
と考えます。
リーズナブルな価格
有する機能が増えたり性能が上がったりすれば価格も上がります。
例えば、GPS機能付きかどうか、スマートウォッチ機能付きかどうかによって価格は大きく変わります。
あなたが必要とする機能が備わっていることが前提で、それに見合った価格であるかどうか確認しましょう。
操作しやすい
自分が得たい情報を表示させる画面に簡単に切り替えることができる操作性の良さも重要です。
手袋をはめた手でもあなたにとって操作しやすい仕様になっているかどうか確認しましょう。
見やすい
自分が得たい情報がすぐにわかる見やすさも重要です。
上で触れた時刻表示がアナログ式かデジタル式かも含めて、あなたにとって見やすい仕様になっているかどうか確認しましょう。
動作温度範囲
厳冬期にテント泊登山をするならば、最低気温はマイナス10℃を下回ることもあります。
この様な所へ行く可能性がある人は、できれば下限域がマイナス20℃程度まである物をおすすめします。
そこまでの可能性がなくても、下限域がマイナス10℃程度ある物がおすすめです。
上限域は、大概、問題ない仕様になっています。
大きさ、重さ
あまりゴツい時計は身に付けたくないと思う人もいるでしょうし、登山用品は軽量性を優先したいと考える人もいるでしょう。
上で触れた操作しやすさや見やすさや備わっている機能の多さも、大きさや重さに影響します。
結論的に言うなら、あなたの好みで選択して構わない要素だと思います。
参考までに私の考えを述べるならば、
大きさは操作しやすいボタン間隔が空いていて、
重さは私にとっては許容範囲なので特に気にせず、
必要な機能が過不足なく備わっていて適正な価格の物
を選びます。
登山時計おすすめ6選
登山時計おすすめ品比較表
メーカー: 商品名 | カシオ: プロトレック クライマーライン PRT-B50-2JF | ラドウェザー(LAD WEATHER): センサーマスター4 | カシオ: プロトレック キャンパーライン PRG-30B-3JF,4JF | シチズン(CITIZEN): プロマスター BN4044-23E | ガーミン(GARMIN): Instinct 2/2S Dual Power | スント(SUUNTO): SUUNTO 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
高度計 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
気圧計 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
コンパス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
アナログ/デジタル/スマートウォッチ | アナログ | デジタル | デジタル | アナログ | スマートウォッチ | スマートウォッチ |
GPS | ○(スマホ連携時) | × | × | × | ○ | ○ |
ソーラー充電機能 | × | × | ○ | ○ | ○ | × |
駆動方式 | 電池式 | 電池式 | ソーラー式 | ソーラー式 | ソーラー式 | 充電式 |
動作時間 | 約2年 | 非公開 | 23か月 | フル充電時11か月 | スマートウォッチモードで無制限 | 40時間 |
電波時計 | × | × | × | × | ○(GPS時間同期) | × |
日の出・日の入表示 | ○ | × | ○ | × | ○ | ○ |
温度計 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × |
バックライト/発光性 | バックライト | 非公開 | バックライト | 夜光針 | バックライト | バックライト |
防水性能 | 10気圧 | 日常生活防水 | 10気圧 | 20気圧 | 10気圧 | 50m |
動作温度範囲 | -10℃~ | 非公開 | -10℃~ | -20℃~ | 非公開 | -10℃~+50℃ |
カシオ:プロトレック クライマーライン PRT-B50-2JF
機能・性能と動作時間と価格の総合バランスの良さで選ぶならコレがおすすめです。
スマホと連携させればGPS機能も使えます。
年単位の動作時間があり、充電式のように毎日充電する必要がありません。
時刻表示がアナログ式で、感覚的に時刻を知ることができます。
日の出・日の入り時刻表示や温度計機能も付いています。
電波による時刻補正機能やソーラー充電の機能は付いていません。
スマートウォッチ機能は付いていません。
ラドウェザー(LAD WEATHER):センサーマスター4
価格の安さで選ぶならコレがおすすめです。
最低限の機能は備わっていて低価格です。
お試し感覚で使ってみても良いかもしれません。
もっと高い精度や耐久性を求める声もあります。
カラビナタイプですので手首に巻き付けることはできません。
カシオ:プロトレック キャンパーライン PRG-30B-3JF,4JF
ソーラー充電機能付きで動作時間が長い登山時計をお望みの人にはコレがおすすめです。
3JFはカーキ色、4JFはボルドーレッド色で色違いです。
日の出・日の入り時刻表示や温度計機能も付いています。
GPS機能や電波による時刻補正機能は付いていません。
スマートウォッチ機能は付いていません。
シチズン(CITIZEN):プロマスター BN4044-23E
オールアナログタイプをお望みの人にはコレがおすすめです。
時刻表示だけでなく、高度と方位もアナログで表示されます。
ソーラー充電機能付きです。
20気圧防水、-20℃での寒冷耐久仕様です。
気圧の表示機能はありません。
GPS機能や電波による時刻補正機能は付いていません。
スマートウォッチ機能は付いていません。
ガーミン(GARMIN):Instinct 2/2S Dual Power
機能満載のスマートウォッチで長時間稼働する物をお望みの人にはコレがおすすめです。
ベーシックサイズのInstinct 2と、コンパクトサイズのInstinct 2Sの2つのサイズがあります。
GPS機能、電波による時刻補正機能、ソーラー充電機能、日の出・日の入り時刻表示機能、温度計機能も付いています。
比較的高価です。
スント(SUUNTO):SUUNTO 5
比較的低価格のスマートウォッチをお望みの人にはコレがおすすめです。
GPS機能、日の出・日の入り時刻表示機能も付いています。
一回フル充電すると約40時間動きます。
方位測定機能(コンパス)、電波による時刻補正機能、ソーラー充電機能、温度計機能は付いていません。
山中泊の計画で登山に行く場合は、途中で充電できるよう対策する必要があります。
登山時計は便利で有用な道具
登山時計は、登山の道中で自分の現在地を確認したり、これからどのように行動すべきかを判断したりするのに大いに役立つ有能な補佐役の様な物です。
あなたにとって最適な登山時計を活用して、安全に効率的に存分にあなたも山を楽しんで下さい。
カシオ:プロトレック クライマーライン PRT-B50-2JF
機能・性能と動作時間と価格の総合バランスの良さで選ぶならコレがおすすめです。
スマホと連携させればGPS機能も使えます。
年単位の動作時間があり、充電式のように毎日充電する必要がありません。
時刻表示がアナログ式で、感覚的に時刻を知ることができます。
日の出・日の入り時刻表示や温度計機能も付いています。
電波による時刻補正機能やソーラー充電の機能は付いていません。
スマートウォッチ機能は付いていません。