登山とは時に大量の汗をかく運動でもあり、足にも汗をかきます。
その汗によって、靴の中が蒸れたり、嫌な臭いがしたりすることを苦にしている人もいるのではないでしょうか。
その問題は5本指靴下で解決可能です。
今回は、靴下が5本指に分かれているからこそ得られる利点を、欠点になりかねない注意点とと共にお話しし、合わせておすすめを紹介いたします。
目次
サイト運営者のイチオシ
ファイントラック:メリノスピンソックスアルパイン5本指レギュラー
メリノウールが36%含まれています。
メリノウールの保温性・防臭性と、化学繊維の高い速乾性を兼ね備えています。
より高い速乾性を求めるならばこちらがおすすめです。
登山用靴下の役割と5本指に分かれていることによる効果
★登山用靴下の3つの役割
- 吸汗、吸湿
- 保温
- 靴と足との隙間を埋める
これらの役割と関連して、靴下が5本指に分かれていることの利点や欠点やどのような違いをもたらすかをこれから順にお話ししていきます。
吸汗、吸湿
登山とは、重い荷物を背負って険しい坂道を上る負荷の大きな運動でもあり、時には大量の汗をかくこともあります。
足にかいた汗によって、靴の中が蒸れたり、臭いを発生させたり、足の皮膚がふやけて靴擦れが起きやすくなったりという事態にもつながりかねません。
そんな時に靴下が5本指に分かれていると、指と指の間にかいた汗も靴下が吸い取る役割をしてくれます。
そのため、靴の中の指周辺の蒸れや臭いの発生を抑えたり、靴擦れを予防したりする効果があります。
なので、足の蒸れや臭いを予防するには5本指靴下が有効です。
保温
登山とは、標高が高く、従って気温が低い所に出掛ける活動でもあります。
例えば富士山の頂上付近は、夏の暑い盛りの時季でも朝晩の気温は10℃にも満たず、下界においては真冬の環境です。
ここまで極端じゃなくても登山では夏でも寒さ対策をする必要があり、靴下は足元の保温の役割を担ってくれています。
では、靴下が5本指に分かれていたら保温性に関してどのような違いが生ずるでしょうか。
結論から言うと、指を覆っている部分に関しては5本指に分かれていない靴下と比べると5本指靴下の保温性能は劣ります。
5本指靴下が5本指に分かれていない靴下と比べて保温性に優れるという説が一部にありますが、これは大間違いです。
なぜならば、例えば5本指の手袋をはめていても指が冷たい時には、指の部分だけ手袋をズラし、指同士がくっ付き合うようにした方が暖かいことは経験的にご存じだと思います。
それと同じで、手でも足でも、指と指の間を生地で分断するよりも、指同士がくっ付いていた方が暖かいのです。
とは言うものの、5本指靴下に保温性が無いと言っている訳ではありません。
ただ、5本指に分かれていない靴下と比べると5本指靴下の保温性能は劣ると言っているだけです。
素足に比べれば5本指靴下でも保温性は得られますのでご安心下さい。
靴と足との隙間を埋める
登山に行く際には、更に靴下の外側に靴も一緒に履くはずです。
ところで、あなたの足の凹凸に寸分違わず沿った靴は、おそらく存在しないはずです。
つまり、あなたの足と靴との間にはどこかしらで隙間が生じ、しかもその隙間は場所によって狭いところから広いところまで色々あるというのが現実です。
そこで、その隙間を埋めることが靴下の役割の一つです。
例えば、家電品が入っている箱を開けたら、中で動かないように、隙間が発泡スチロールなどの緩衝材で埋められて固定されているのを見たことはありませんか。
靴下の役割も、この緩衝材と同じです。
靴と足とをフィットさせ、動かないように固定し、あるいは、衝撃が加わってもそれを吸収するクッションの役割をしているのです。
靴下が、靴擦れや豆ができないように肌を保護したり、疲れないようにする役割を担っている訳です。
では、靴下が5本指に分かれていたらどのような違いが生ずるでしょうか。
5本指に分かれていると、4か所ある足の指と指の間に生地が合計8枚余分に挟まった状態になります。
つまり、足の指と指の間に一定の間隔が保たれる一方で、生地8枚の厚みの分だけ足の指先が広がった状態になります。
その状態で履く靴が、5本指に分かれていない靴下を履いた状態の足に丁度合う幅の靴だったならば、足の指が靴で圧迫されてしまいます。
本来ならば足を保護してくれるはずの靴下が、かえって足の圧迫を引き起こしてしまうようでは意味がありません。
なので、5本指靴下を履くことによって足の指先が広がった状態が保たれるという効果を得るためには、指先が広がった状態の足が収まるだけの幅の広い靴を履くことが前提にも必要にもなります。
中身が大きくなることに伴い、外身も大きくせねばならないということです。
足の指と指の間に一定の間隔が保たれることによるのか、足の5本の指それぞれを独立して動かすことができるので、グリップ力が増し踏ん張りが効くようになる効果があるという説があります。
この説に関しては、私は半信半疑ですし、私自身の体験では違いは特に感じませんでした。
ですが、5本指靴下を履くことに伴い、その状態の足が入るだけの幅が広い靴を履くことになりますから、靴の中で足の指を動かす自由度が増すことが期待されます。
効果の大小に個人差はあるかもしれませんが、5本指靴下の一つの利点と考えられます。
登山用靴下を選ぶ3つのポイント
★登山に適した靴下を選ぶ際に押さえるべき3つのポイント
- 素材
- 厚み
- 丈
素材
素材においては、断然おすすめの物もあれば、これであれば合格という物もあれば、絶対に避けるべきものもあります。
メリノウール主体が断然おすすめ
断然おすすめの素材は、ウールの中でも優れ物であるメリノウールです。
なぜならば、メリノウールは登山という用途で求められる多くの利点を備えているからです。
★メリノウールの利点
- 吸汗性、吸湿性に優れる
- 抗菌防臭性がある
- 保温性に優れる
- 濡れても保温性を保つ
- 温度調整機能がある
- 肌触りが良い
- 丈夫い
- 縮みにくい
あなたが足の汗や臭いでお悩みならば、吸汗性、吸湿性に優れ抗菌防臭性もあるメリノウールは持って来いです。
しかも、保温性に優れ、更には濡れても保温性を保つ性質があります。
保温性が高い一方で、メリノウールには温度調節機能があるため、暑くてもさほど不快には感じません。
それ以外にも、多くの利点を備えているメリノーウルですが、値段が比較的高かったり、速乾性はトップレベルではないなど、残念なところもあります。
メリノウールの良い点は残し、他の化学繊維の持つ利点も付け加えた、良いとこ取りの混紡繊維で作られた登山用靴下ならより一層快適度合いも増します。
なので、登山用靴下であれば、多かれ少なかれ、メリノウールが使われています。
化学繊維主体でも適している
メリノウールと化学繊維とを比べると、保温性ではメリノウールの方が優れていますが、速乾性や価格面では化学繊維の方が有利です。
あなたが汗かきだったり寒さに強い人だったりするならば、保温性よりも速乾性を優先して、化学繊維主体で作られた靴下を選んだ方が快適に過ごせる上にお財布に優しいかもしれません。
木綿(綿、コットン)は論外
靴下に限らず登山用の衣類全般に言えることとして、絶対に避けるべき素材は木綿(綿、コットン)です。
なぜならば、木綿は乾きにくいため、汗を吸うと汗冷えになったり、肌がふやけて酷い時には皮がめくれたりしかねないからです。
普段着には普通に頻繁に使われているかもしれませんが、安全性の面からも快適性の面からも、登山の場合は木綿(綿、コットン)素材の物は決して着ないで下さい。
厚み
登山とは、街中の様には舗装されていないアップダウンのある悪路を長時間歩き続ける活動でもあります。
従って、登山では日常生活よりもはるかに大きな負荷が足に掛かります。
それに耐えられるように、登山で使う靴下にはある程度の厚みが必要で、中厚手の物がおすすめです。
なぜならば、厚みがある方が、かいた汗を吸収するキャパシティーも増します。
また、厚みがある方が、衝撃吸収性(クッション性)にも優れます。
他にも、厚みがある方が、保温性にも優れます。
丈
サイズ(指先からかかとまでの長さ)は、足にピッタリと合ったサイズの物が適していることは改めて言わなくても大丈夫だと思います。
その部分ではなく、丈(かかとから履き口までの長さ)は、靴の履き口よりも靴下の履き口が上に来る長さの物を選びます。
上の図の様になればOK!
上の図の様ではNG!
なぜならば、靴下の役割の一つに、足が受ける衝撃を吸収するクッションの役割をすることがあります。
上りや下り等の多様な傾斜地を歩く登山には、足首全体を保護してくれるミドルカットやハイカットの靴が適しています。
そして、上りではかかとの後ろ側にも、下りではつま先や足の甲やすねにも、足を踏み出した時の衝撃や体重が掛かります。
なので、靴と当たるかもしれない部分全体よりも少し大きめに覆える丈の靴下が必要なのです。
5本指靴下おすすめ3選
ファイントラック:メリノスピンソックスアルパイン5本指レギュラー
メリノウールが36%含まれています。
メリノウールの保温性・防臭性と、化学繊維の高い速乾性を兼ね備えています。
より高い速乾性を求めるならばこちらがおすすめです。
他の2つと比べて、素材の速乾性を高めることによって蒸れにくくなっています。
HALISON(ハリソン):メリノウール 5本指ソックス
メリノウールが85%含まれています。
メリノウールが持つ多くの利点をしっかりと発揮してくれます。
創業以来 日本製を貫く、品質にこだわる靴下専門メーカーの製品です。
他の2つと比べて、素材による水分の吸収量を増すことによって蒸れにくくなっています。
インジンジ:アウトドアミッドウェイトクルーヌーウール
メリノウールが64%含まれています。
足の甲部分がメッシュになっていて通気性が高められています。
世界で圧倒的なシェアを誇る5本指ソックス専門メーカーの製品です。
他の2つと比べて、甲部分の通気性を高めることによって蒸れにくくなっています。
5本指靴下で靴の中も快適に
靴下が5本指に分かれていると、指と指の間にかいた汗も靴下が吸い取ってくれます。
そのおかげで、靴の中の蒸れや臭いを抑えることができます。
そんな優れ物の5本指靴下を履いて、あなたも快適に存分に山を楽しんで下さい。