登山をする際には登山という用途に適したシャツを着る必要があります。
なぜならば、登山をすれば日常以上の暑さや寒さのどちらにも直面する可能性があるからです。
登山用長袖シャツはそのどちらも解決できますし、それ以外の状況でも威力を発揮するとても有用なアイテムです。
今回は、登山中に直面する様々な状況に登山用長袖シャツをどの様に駆使して対処すれば良いか、その活用方法と共におすすめを紹介いたします。
目次
サイト運営者のおすすめ
ミズノ:マジックドライ長袖トレイルシャツ
男性用
女性用
おすすめポイント
※ 保温性よりも速乾性を優先し、ボタン開閉仕様がお好みの人の場合はこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ポリエステル素材で作られており、速乾性に優れています。
- 正面と袖口をボタンで開閉でき、通気性を調節できます。
- UVカット機能が付加されています。
△ 残念な点
- 生地にストレッチ性が無い点が残念です。
ファイントラック:ドラウトセンサージャケット
男性用
出典:ファイントラック公式
女性用
出典:ファイントラック公式
おすすめポイント
※ 保温性よりも速乾性を優先し、スライドファスナー開閉仕様で、生地にストレッチ性も欲しい人にはこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ポリエステル素材で作られており、速乾性に優れています。
- 正面をスライドファスナーで開閉でき、通気性を調節できます。
- 両脇にもベンチレーション機能(スライドファスナーで開閉できる換気口)があります。
- 生地にストレッチ性があります。
△ 残念な点
- 価格が比較的高めです。
ミズノ:ブレスサーモウールトレイルシャツ
男性用
出典:ミズノ公式
女性用
おすすめポイント
※ 速乾性よりも保温性を優先する場合にはこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ウール混紡素材で作られており、保温性に優れています。
- 正面と袖口をボタンで開閉でき、通気性を調節できます。
△ 残念な点
- 生地にストレッチ性が無い点が残念です。
- 価格が比較的高めです。
登山用長袖シャツの4つの役割およびメリット
① 速乾性
登山用のシャツに求められる最も重要な機能の一つが速乾性です。
速乾性が、暑さと寒さの両方をしのぐための重要なカギとなります。
なぜならば、登山をすると時には大量の汗をかく一方で、登山で行く先は標高が高く気温が低い所です。
寒い所で濡れた服を着たままでいると、体が過剰に冷やされ、最悪の場合は命を落としかねません。
例えば、暑い夏に汗で濡れている服を着たままでエアコンのよく効いた部屋にずっといると、涼しさを通り越して寒く感じたことはありませんか。
その様に体が過剰に冷やされてしまうことが山では起こりかねません。
登山用のシャツには速乾性が必須であり、速乾性が備わっているため、この様な事態を避けることができます。
② 体温調節(通気性と保温性)
登山をしていると、標高の高低や、道の傾斜の緩急や、陽射しの強弱や、風の有無などで暑くも寒くもなります。
なので、登山をする際の服装には、暑さと寒さの両方に対処できる必要があります。
前開きで長袖の登山シャツには、暑い時に熱を逃がすことと、寒い時に保温することの、両方の機能が備わっています。
例えば、暑い時は前を開けたり袖をまくったりと、逆に、寒い時は前を閉じたり袖をのばしたりと、多様な使い方ができます。
つまり、登山用長袖シャツは、暑い時と寒い時で着方を変えて、暑さと寒さの両方に対処することができるのです。
③ 肌を保護する
③-1 日焼けを防ぐ
体を動かすことによる発熱から来る暑さではなく、日差しによる暑さから肌を保護する役割も、登山用長袖シャツは担ってくれます。
一般的に、標高が1,000m高くなると紫外線(UV)は約10%強まると言われています。
つまり、登山に行くと、下界に居るよりも強い紫外線(UV)にさらされ、日焼けしやすくなり、ひどい場合は水ぶくれができたり肌がむけたりしてしまいます。
そんな環境下でも、長袖シャツならば腕まで覆ってくれるため、腕の日焼けを防ぐ役割も担ってくれます。
襟付きのシャツならば、襟を立てることで、首の日焼けを防ぐ役割も担ってくれます。
生地が紫外線(UV)カット仕様であるに越したことはありませんが、そうじゃなくても、何らかの形で肌が覆われていれば、肌は十分に保護されます。
③-2 ケガを防ぐ
登山で歩く道は街中の様には整備されてないので、道に張り出した植物や岩などで擦ったり、過って転んだりしてケガをする恐れもあります。
そんな時に、長袖シャツならば腕まで覆ってくれるため、ケガを防ぐ役割も担ってくれます。
③-3 虫刺されを防ぐ
植物が生えている所には虫もいます。
長袖シャツならば腕まで覆ってくれるため、日焼けやケガだけでなく、腕の虫刺されを防ぐ役割も担ってくれます。
④ おしゃれにもなる
登山用のシャツは、無地の物もあればチェック柄の物もあります。
おしゃれを気にする人も満足する物が選べると思います。
登山に適した長袖シャツの選び方
登山をする際は、動けば暑いけど止まると寒かったり、晴れの時もあれば風雨が強い時もあったりで、一つの服装であらゆる状況に対処するには無理があります。
なので、今回取り上げているミドルレイヤー(行動着)として着るシャツだけで全てを解決する必要はありません。
ですが、幾つもの状況を一つのアイテムで済ませられるに越したことはありません。
ここでは、その様に色々な状況に幅広く対応できる長袖シャツを選ぶ際のポイントについて、お話しいたします。
素材
一着で暑さにも寒さにも幅広く対処できる、登山用シャツに適した素材はポリエステル、またはウールです。
なぜならば、時には大量の汗をかくこともある登山において、登山用シャツの素材に求められる最優先の機能・性能は、速乾性だからです。
その他にも、寒さに対処することも想定しておく必要があり、登山用シャツの素材に求められる第二優先の機能・性能は、保温性です。
速乾性が最優先な理由は、乾いた生地であれば、どんな素材でもそれなりに保温性も有するため、寒さ対策になるからです。
ポリエステルは速乾性に優れた素材で、保温性もあり、登山用シャツの素材に適しています。
ウールは保温性に優れ、ポリエステル程ではありませんが速乾性があり、また、濡れても保温性が保たれるため、これも登山用シャツの素材に適しています。
逆に、登山用シャツに適さない素材は綿(木綿、コットン)です。
なぜならば、綿は速乾性が無い上に濡れると保温性も無くなるため、汗や雨などで濡れると体が過剰に冷やされ、最悪の場合は命を落としかねません。
ですから、登山に適したシャツを選ぶに当たって、素材に関しては、綿製の物は絶対に避けて下さい。
ポリエステル製かウール製かを選ぶに当たっては、登山に行く時季や登る山の標高と照らし合わせて決めるのが良いです。
春~夏~秋の様な暑い時季や標高の低い山に行く場合は速乾性を重視してポリエステル製の物を選びます。
秋~冬~春の様な寒い時季や標高の高い山に行く場合は保温性を重視してウール製の物を選びます。
前開きの仕様
ボタン仕様でもスライドファスナー仕様でもどちらでも構いませんが、前を全開状態にも、部分開放状態にも、全閉状態にも、どれにでもできる仕様の物が良いです。
なぜならば、この様にできる物なら、暑い時に熱を逃がしたり寒い時に熱を逃がさないようにすることを多段階で調節できるために、暑い・寒いの度合いに応じて幅広く対応できるからです。
例えば、脱いでしまうと寒いけどしっかり着ると暑い時には、前を全開状態にして羽織るようにして着ることもできます。
少し暑い時には、前を部分開放状態にして熱が適度に放出されるように調節することもできます。
寒い時には、前を全閉状態にして熱が逃げないようにしたり、更に外側に重ね着したりすることもできます。
ですから、ボタン仕様でもスライドファスナー仕様でもどちらでも構いませんが、前を全開状態にも、部分開放状態にも、全閉状態にも、どれにでもできる仕様の物が良いです。
せいぜい胸までの上半分しか開かない、被りタイプの物はミドルレイヤー(行動着)としては不適です。
ボタン仕様かスライドファスナー仕様かで、通気性や保温性の調節機能面の優劣の差は特に無いと思われます。
必然性や決まりが特にあるとは思いませんが、私が見る限りでは、ボタン仕様の物は、ストレッチ性が無い織り生地と組み合わされている物がほとんどです。
一方、スライドファスナー仕様の物は、ストレッチ性が有るニット生地と組み合わされている物がほとんどです。
逆の組合せ、つまり前が全開になる仕様が、ボタン仕様でニット生地や、スライドファスナー仕様で織り生地という組合せの物を、私は見たことがありません。
ですから、ボタン仕様を好むかスライドファスナー仕様を好むかで決めたり、ストレッチ性を必要とするか必要としないないかで決めたりすれば良いと思います。
春・夏・秋・冬、季節に合わせた選び方
春夏秋冬いずれの季節であろうと、先ずは、前提条件として速乾性のある物を選び、それでは寒ければ、速乾性に加えて保温性もある物を選びます。
なぜならば、登山では季節に関係なく登れば汗をかくので、このかいた汗による悪影響を避ける必要が常にあるからです。
そして、一概に「季節」だけで適した物が決まる訳では無く、「標高」という要因も関係しますし、また、ミドルレイヤー(行動着)だけで全てを解決する必要もありません。
また、現実問題として、雪が積もり強い季節風が吹くような標高が高い山に冬にわざわざ登ろうと思っている人を対象に、このページは書かれていません。
その様な人は → こちらのページをご覧下さい。
標高が高い山には夏に登り、秋から春にかけてはそれなりに標高の低い山に登るならば、極端なことを言えば、ミドルレイヤー(行動着)としての登山用シャツは一年を通して同じ物で済ますことができます。
とは言え、それでは寒いことも実際にはありますから、その場合は、より保温性の高い物を選ぶか、保温性が得られるウェアを外側に更に重ね着するかして対処します。
結論的に、目安としては、登った先の気候はさておき、麓の登山口を登り始める時点で既に暑い場合から少し寒い(だけど登ればすぐに汗をかく)場合までは速乾性のある物を選びます。
登り始める時点で大いに寒い場合は速乾性に加えて保温性もある物を選びます。
登山用長袖シャツおすすめ3選
おすすめ品比較表
ミズノ: マジックドライ長袖トレイルシャツ | ファイントラック: ドラウトセンサージャケット | ミズノ: ブレスサーモウールトレイルシャツ | |
---|---|---|---|
速乾性 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
保温性 | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
適した季節 | 春~夏~秋 | 春~夏~秋 | 秋~冬~春 |
前開きの仕様 | ボタン式 | スライドファスナー式 | ボタン式 |
袖口 | ボタン開閉式 | ストレッチ性のマチ | ボタン開閉式 |
追加のベンチレーション | 胸、背中 (男性用のみ) | 両脇 | なし |
ミズノ:マジックドライ長袖トレイルシャツ
男性用
女性用
おすすめポイント
※ 保温性よりも速乾性を優先し、ボタン開閉仕様がお好みの人の場合はこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ポリエステル素材で作られており、速乾性に優れています。
- 正面と袖口をボタンで開閉でき、通気性を調節できます。
- UVカット機能が付加されています。
△ 残念な点
- 生地にストレッチ性が無い点が残念です。
ファイントラック:ドラウトセンサージャケット
男性用
出典:ファイントラック公式
女性用
出典:ファイントラック公式
おすすめポイント
※ 保温性よりも速乾性を優先し、スライドファスナー開閉仕様で、生地にストレッチ性も欲しい人にはこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ポリエステル素材で作られており、速乾性に優れています。
- 正面をスライドファスナーで開閉でき、通気性を調節できます。
- 両脇にもベンチレーション機能(スライドファスナーで開閉できる換気口)があります。
- 生地にストレッチ性があります。
△ 残念な点
- 価格が比較的高めです。
ミズノ:ブレスサーモウールトレイルシャツ
男性用
出典:ミズノ公式
女性用
おすすめポイント
※ 速乾性よりも保温性を優先する場合にはこちらがおすすめです。
☆ 優れている点
- ウール混紡素材で作られており、保温性に優れています。
- 正面と袖口をボタンで開閉でき、通気性を調節できます。
△ 残念な点
- 生地にストレッチ性が無い点が残念です。
- 価格が比較的高めです。
登山用長袖シャツで安全・快適な登山を
登山をすれば、日常よりもはるかに暑い状況にも寒い状況にも身を置く可能性があります。
登山用長袖シャツは、暑さ・寒さに有効に対処できるだけでなく、汗の処理や肌の保護にも威力を発揮する、高機能・高性能な優れ物のアイテムです。
そんな登山用長袖シャツを着て、あなたも安全に快適に山を楽しんで下さい。