登山に行くに当たってレインウェアは必携品だという言葉は聞いたことがあると思います。
実際、市場には沢山のレインウェアが出回っていますし、それぞれが、どれも最高商品であるかのようなうたい文句で売られていますが、機能・性能や値段には幅があります。
登山という用途では実用に耐えない商品を買って不便で不快な思いをするのも、過剰な性能の商品を選んで出費の負担が増えるのも、どちらも避けたいのではないかと思います。
今回は、女性が使うということも考慮に入れた上で、押さえるべきポイントと合わせて、レディース向け登山用レインウェアのお勧めを紹介いたします。
目次
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ザノースフェイス；レインスーツ レインテックスプラズマ レディース
なぜ必携品か
レインウェアは、雨降りの時はもちろん、防風着や防寒着としても活躍します。
登山ですから、標高が変化する大自然の真っただ中に出掛ける訳です。下界よりも風が強いなど自然条件が過酷だったり、天気が急変したりもします。かと言って、それぞれの場合に備えて幾つもの装備を持って荷物が重くなるのは避けたいです。雨をしのぐことができるレインウェアを使い回して、風も寒さもしのぐ訳です。なので、このように用途の広いレインウェアは、登山には必ず持って行きます。
ですから、登山には、実用性の高いレインウェア選びが必要です。
では、どのような物を選べば良いか、これから順番に説明して行きます。
上下セパレートタイプの物を揃える
北アルプスの新穂高ロープウェイや、中央アルプスの駒ケ岳ロープウェイや、北八ヶ岳ロープウエイで標高2,000mを超える雲上の世界へ一気に登り、眺望や散策を楽しむなんて時に、天候が急変したら大変です。強風にあおられて横殴りの雨に打たれたり、雨が下から吹き上げて来たりするような過酷な自然環境にさらされてしまう危険性もあります。そんな場合はセパレートタイプのレインウェアを上下とも着ていないとしのぎきれません。上半身に裾が長めのコートタイプのレインウェアだけを着て下半身はそのままとか、ポンチョタイプの裾が広がるレインウェアでは役に立ちません。登山で使うレインウェアは上下セパレートタイプの物を揃えます。
防水透湿性の物を選ぶ
レインウェアと言うのですから、外からの雨の侵入を防いでくれる役割を果たしてくれるのは当然です。いわゆる防水性と言うやつです。レインウェアの防水性能を高めるだけで済むなら、各メーカーともさほど苦労はしません。ですが、ただ単に防水性能が高いだけでは不都合なことが起こります。と言うのは、登山はそれなりの重さの荷物を背負って坂道を登る運動ですから沢山の汗をかきます。この、かいた汗を水蒸気として外に放出してくれないと、たとえ外からの雨を防いでくれたとしても、中が汗でびしょ濡れになり、結局役に立ちません。
ですから、登山用のレインウェアには、防水性と同時に、かいた汗を水蒸気として外に放出してくれる機能、いわゆる透湿性も必要になる訳です。
つまり、登山用のレインウェアには防水透湿性の物を選ぶ必要がある訳です。
防水透湿性素材の代表はゴアテックスです。ゴアテックスは、防水性能も透湿性能も、どちらも高いです。高性能ではありますが、値段も高くなりがちです。
各アウトドアメーカーも対抗して、独自に開発した防水透湿性素材を使った商品も提供しています。ですが、防水透湿性能をはじめとして、あらゆる面でゴアテックスを上回る商品を作るのは難しいようです。
大雑把に、性能が高いと値段も高くなる傾向にあるように思います。
選び方
アウトドアメーカーのハイスペック品を
行く山の標高や緯度、季節、天候の荒れ具合、あなたの体力や耐性などによって求められるスペックも変わってきますし、ご予算との兼ね合いもあるでしょうから、“性能がこれより上の物”と一概に言うのは難しいです。だからこそこうして調べているとおっしゃるあなたには、結局どの商品を選べば良いかを、後ほど、お勧め3選でお示しいたしますのでご安心下さい。
アウトドアメーカーが作っているハイスペックの物を選ぶという考え方をします。
スペックに関しては、 “大は小を兼ねる” の考え方で行きましょう。なぜならば、性能が高ければそれだけ快適性が保てるからです。ここで言う性能とは、具体的には防水性能と透湿性能です。性能が高いと、中がびしょ濡れになるような不都合がそもそも生じにくいので、不快に感じるような現象も起こらず済んで行きます。性能が、特に透湿性能が低いと、かいた汗が外に排出されず、中がびしょ濡れになるという不都合が生じやすく、それに気づいてしまうため不満が生じます。それだけでなく、場合によっては低体温症になり命の危険に瀕しかねなません。
タウンユース品ではダメか
登山用でなく、街中で着る用に作られた物や、雨の中での軽作業用の物で代用するのはダメかと尋ねられたら、私は「ダメ！」と答えます。なぜならば、先に「アウトドアメーカーが作っている」とも書きましたのは、アウトドアメーカーが作っている物は持たせる性能・機能・機構や、細かい作り等においても優れており、したがって、使い勝手も良いからです。
例えば透湿性能に関して、その商品に少しでも透湿性能があれば「透湿性」とうたうことは可能です。ですが、登山において要求される透湿性能には全然及ばないレベルの物でも透湿性能がさも十分にあるかのような宣伝文句がうたわれていて、これをうのみにするのは危険です。
そもそもこの質問がナンセンスなのです。
登山とは、下界よりもはるかに過酷な環境下で、日常よりもはるかに厳しい負荷がかかる運動をするのです。そのことを前提に選んで下さい。
それから、アウトドアメーカーが作っている物は、各部のフィット具合の調節機能が充実していたり、登山靴を履いたままでも着脱がしやすい等の使い勝手が良い物が多いです。値段は高いかもしれませんが、このような数値化できない部分も値段に反映されていると受け止めて下さい。出費を抑えて安い物を買ったとして、実際の現場で役に立たなかったら意味がありません。
軽量であることも重要
また、特に女性は、軽量な物を選ぶということも一つの重要なポイントです。
荷物が軽ければ、体力の消耗も抑えられます。荷物が軽ければ、移動を短時間で済ますこともできます。荷物が軽ければ、機動力を高めることもできます。なので、ちょっと欲張って見所をもう一箇所多く回ってくるとか、居心地の良いお気に入りの場所でのんびり長時間過ごすとか、天気が崩れたり日が傾いたりする前に目的地に急いでたどり着くとかいうことも可能になります。
ただ、一般的に、軽量になる程耐久性は下がります。この点はご承知おき下さい。
プラスアルファで普段使い
登山用レインウェアは登山の時にしか使っていけないという決まりはありません。
普段の雨の日に着たり、雨の日に自転車やバイクに乗る時にも使えたりと、大いに活躍してくれます。高いお金を出して買っても決して損にはなりませんのでご安心下さい。
使った後はメンテナンス
山でレインウェアを使えば、外側は泥がはねていたり、草や笹や木などの植物由来の汚れが付いていたりと、内側も自分がかいた汗などで、レインウェアは意外と汚れています。
使った後は、他の服と同じように、お洗濯をして、十分陰干しして、直射日光や高温多湿を避けてハンガーに吊るして保管しましょう。
性能をフルに発揮させるには、適切なメンテナンスが必要かつ重要なのです。
お勧め3選
ザノースフェイス；レインスーツ レインテックスプラズマ レディース
・3層構造のゴアテックスを採用。
性能も耐久性も最も高い点がメリットだが、反面、比較的重く硬い感じがする点がデメリット。
・フードの奥行きが調節できるワンハンドアジャスター機能を有する。
頭を左右に振ってもフードが動きにしっかり追従し、視界を遮られることが無い点も使い勝手が良い要素の一つに挙げられる。
・高機能、高性能で、耐久性も高い上に、ジャケットのツートンカラーがオシャレ。
・比較的値段が高いのが難点。
プロモンテ；ゴアテックス パックライト レインスーツ （レディース）
・2層構造のゴアテックスパックライトを採用。
・裏地が無い分軽量である点はメリットだが、同時に耐久性が劣る点はデメリット。
・高性能で信頼性が高いゴアテックスを採用した商品の割にはお値打ちな価格。
モンベル；ドライテック レインウエア Women’s
・独自開発の防水透湿性素材ドライテックに柔らかな表地を貼り合わせた2層構造を採用。
3層構造よりも軽量コンパクト。
・着心地は良い。
・お値打ち価格がありがたい。
・手始めの登山には十分だが、ハイレベルな登山にはもの足りないかも。
まとめ
レディース向け登山用レインウェアのおすすめは、アウトドアメーカーが作っている高機能高性能品です。性能が不十分な中途半端な物では、いざという時に役に立たず意味がありません。
実際、入山から下山まで、レインウェアを必要とする場面は全くなかったということは起こり得ます。ですがそれは結果論です。登山は過酷な環境下での意外とハードな運動なのです。
いざという時にその役割を果たしてくれる品物選びが必要なのです。
