日本の登山は世界基準のトレッキングの一部!両者の違いを正しく理解して、適切なトレッキングシューズの選定に役立てよう!

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登山とトレッキングの違いは、一般に、登山が登頂を目指すのに対してトレッキングは登頂にこだわらないと説明されています。

ですが、この点だけを根拠にトレッキングは登山の簡易版だと解釈するのは大きな間違いです。

今回は、それがなぜかを解説するとともに、トレッキングとはどの様な活動であるかの理解を深めることを通して、多種多様なトレッキングシューズの中からあなたの用途にズバリ適合した物を選ぶのに役立つ基礎知識をご紹介いたします。

トレッキングとは海外発祥の活動

「トレッキング」という単語は外来語です。

元々日本語で「トレッキング」に相当する単語はありません。

トレッキングという活動は、登山と似た一面も含まれますが、日本の登山よりもはるかに幅広く広範にわたった活動です。

なぜ広範にわたっているかというと、トレッキングは、日本よりもはるかに広くスケールも大きな海外で発祥し発展してきた活動だからです。

なので、先ず、トレッキングとは本来どの様な活動であるかを知る必要があります。

そもそもトレッキングとは

トレッキングの定義は「自然の中の長期間の徒歩旅行」です。

トレッキングの本質は「自然の中を長期的に歩きながら風景や動植物や文化などを楽しむ活動」です。

  • 活動の場は自然の中
  • 活動期間は長期間(複数日以上)
  • 移動手段は徒歩
  • 活動目的は旅行
  • 活動内容は風景や動植物や文化などを楽しむこと

「長期間」であるかどうかを分ける境界線は曖昧ですが、場合によっては1泊2日、確実な線では2泊3日以上であればトレッキングです。

これらの条件に当てはまってさえいれば、他の要素が多種多様でもそれらは全てトレッキングに該当します。

トレッキングは自然の中での活動ですから、人里離れた場所や厳しい地形を移動することが多いという認識は間違いではありません。

ですが、登山の簡易版的な位置付けのトレッキングも確かにありますが、トレッキングはそれだけに限定されません。

トレッキングは標高の高い場所で行うものとは限らず、低地を数日かけて歩くこともトレッキングの一つの形です。

トレッキングは、「山を登ること」よりも「自然や風景などを楽しむこと」に重きを置いています。

トレッキングは、主にヨーロッパの人たちにとっては、地域の風景や文化を楽しむ手段です。

様々なトレッキング

歩く標高の高い・低いに関係ない

日本の最高峰の富士山(3,776m)よりもはるかに高い、標高5,000mを超える山岳地を歩くトレッキングもあります。

例えばエベレスト・ベースキャンプ(標高5,364m)を巡るトレッキングルートもあります。

山岳地でなく低地を歩き続けてもトレッキングです。

例えばウェールズの「ワイ・バレー・ウォーク」というトレッキングルートの標高の最高地点は447mで、東京の高尾山(599m)よりも低いところしか歩きません。

携行する荷物の重い・軽いに関係ない

トレッキングでは基本的に自然の中を歩きますから、テント、寝袋、日数分の食料などの必需品を携行する必要があります。

仮に一週間以上を要するトレッキングルートを歩くとなると、相当な重さです。

ですが、スペインのカミーノ・デ・サンティアゴの巡礼ルートにはアルベルゲという宿泊施設があるため、テントや寝袋を省いた軽装備で歩くことができ、これもトレッキングに該当します。

トレッキングは多岐にわたった活動

歩く標高が高くても低くても、携行する荷物が重くても軽くても、自然の中の長期間の徒歩旅行であればトレッキングに該当します。

歩く環境(地形や自然環境の厳しさ)や難易度なども多様で大きな幅があります.

トレッキングで山頂を通過してはダメな訳ではなく、山頂を通過するトレッキングルートも存在します。

トレッキングという言葉が指す内容は多岐にわたっています。

ですが、自分が計画しているトレッキングの具体的な内容は、その多岐にわたった広範な活動の中の一部分に限られます。

なので、自分が計画しているトレッキングに適する仕様やスペックの道具をケースバイケースで選ばねばならないとも言えます。

トレッキングとハイキングの違い

トレッキングとハイキングを分ける要素として、費やす日数が目安になります。

日帰りはハイキング、1泊2日はハイキングとして扱われる場合もトレッキングとして扱われる場合もどちらもあり、2泊3日以上ならばほとんどの場合トレッキングに分類されます。

他の要素としては、歩く標高も目安になります。

標高1,500m以下はハイキング、標高1,500m〜3,000mはハイキングとして扱われる場合もトレッキングとして扱われる場合もどちらもあり、標高3,000m以上ならばほとんどの場間トレッキングに分類されます。

標高が高い地域でも日帰りであればハイキングと見なされることがあります。

ハイキングはトレッキングの簡易版だと言えると思います。

蛇足ですが、富士山のいわゆる弾丸登山(徹夜で登り、頂上で夜明けを迎え、そのまま下山する)は、ひょっとしたら、外国人の感覚ではハイキングなのかもしれません。

トレッキングの定義は、活動する期間(日数)で厳密に規定されるものでもなく、同様に、標高で規定されるものでもありません。

繰り返しになりますが、トレッキングの定義は「自然の中の長期間の徒歩旅行」です。

大雑把に、下のようなイメージだと思います。

日帰り
(1日)
一泊二日
(2日)
二泊三日以上
(3日以上)
標高3,000m以上トレッキングトレッキングトレッキング
標高1,500〜3,000mハイキングどちらもありうるトレッキング
標高1,500m以下ハイキングハイキングトレッキング

世界基準で見ると、日本の登山はトレッキングの一部であったり、ハイキングに該当する軽度の活動とも解釈できます。

つまり、トレッキングとは、日本における登山と比べて、易しいものもあれば、はるかに高度なものもどちらもあるということです。

なので、世界レベルで見るならばトレッキングは登山の簡易版と解釈するのはあながち間違いではないでしょう。

ですが、トレッキングが日本における登山の簡易版だとは決して言えないのです。

トレッキングシューズの多様性

私達日本人が「トレッキングシューズ」と聞くと、いわゆるミドルカットの形状の靴を第一に連想するかもしれません。

ですが、一口にトレッキングと言ってもその内容は多様です。

トレッキングシューズはトレッキングをする時に履くのに適する靴ではあるのですが、、、
トレッキングという活動そのものが多様なため、トレッキングシューズの種類も多数存在します。

仮に、トレッキングが登山の簡易版だと誤解していると、「トレッキングシューズを登山で使うのは心もとない。」とか、「トレッキングシューズは普段履きには適さない。」という考えが浮かんで来るかもしれません。

トレッキングシューズの中でも、使用状況や使用場面に応じて得手・不得手や適・不適があります。

逆に、 “シューズ” の前に “トレッキング” と付いていても、トレッキングではなく普段履き、あるいは本格登山に適した仕様や特性のトレッキングシューズも存在します。

なので、その靴の特性を的確に把握できれば、トレッキングシューズの中から普段履きや本格登山に適した靴も見付かります。

トレッキングは登山の簡易版ではない

「トレッキング」と聞くと、何となく標高の高いところを歩くことをイメージする人も多いのではないでしょうか。

それもトレッキングの一つの形態ですが、それが全てではありません。

トレッキングとは、私達日本人が思っている以上に幅広く広範に渡る活動です。

トレッキングは登山の簡易版だという訳では決してなく、むしろ、日本の登山がトレッキングの一つの形態です。

トレッキングとはどの様な活動であるかを正確に理解して、トレッキングシューズを的確に選ぶことに役立てていただければ幸いです。

この記事を書いた人

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丹羽 英之

登山歴は20年以上。山岳展望や花(高山植物)を見ることが好きで、北アルプスの雲ノ平周辺によく行きます。一人で山に登ることが多く、気ままに山道を歩き、心の癒やしやリフレッシュをすることも登山の目的の一つです。

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