初心者向け雪崩ビーコンの選び方とおすすめ【2024-25年版】 初めてでも使いこなせる実用機種をズバリ選定!

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雪山に出掛ける際は雪崩のリスクと隣り合わせであると心得るべきで、その備えとして、雪山登山であろうがバックカントリースキーであろうが、雪崩ビーコン(以後略して“ビーコン”)は必携品です。

実際、行先や参加ツアーによってはビーコンの携行が条件になっていることもあり、ビーコン購入の必要に迫られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですが、聞いたことも無いような物をそれなりに使えるようになることを前提にして購入するとなると、どんな物を選べば良いかさっぱり見当が付かないのではないでしょうか。

今回は、どのような仕様や機能を備えた物を選べば良いかをお話しし、おすすめを紹介いたします。

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bca:トラッカーS

おすすめである理由

  • 受信モードから発信モードへの自動復帰機能がある。
  • 操作が簡単で表示も見やすく、初心者でも使い方を習得しやすい。
  • 電波受信範囲がそれなりに広い。
出典:bca公式
BCA TRACKER S / アバランチビーコン トラッカーS 雪崩救助用品

ビーコンとは何か? なぜ必要か?

命綱のようなもの(無ければ生きて帰れる可能性は…)

ビーコンとはスマホぐらいの大きさの電子機器で、雪崩に遭い雪に埋もれてしまった場合の備えとして持って行く、雪に埋もれてしまった時に初めて用を為す装備です。

雪の中の埋没者の姿は外からは見えませんので、見付けるための別の方法として電波が活用されます。

ビーコンが持つ2つの機能と役割

  • 電波を発信して、自分の居場所を知らせる(自分が助けてもらう)
  • 電波を受信して、発信源の位置を特定する(同行者を助ける)

ビーコンには電波を発信する機能と受信する機能の両方が備わっていますが、一台のビーコンで一度にできるのは、発信か受信かのどちらかです。

埋没者が持つビーコンが発信する電波を捜索者が持つ別のビーコンが受信することで命綱がつながる訳です。

電波を活用せずに雪の中に埋もれている人を見付け出すのは至難の業なので、ビーコンを携行していなければ生きて帰れる可能性は限りなくゼロに近付くと言わざるを得ません。

なので、雪山に行く際にはビーコンを持って行く必要がある訳です。

前提は、同行者がいて、全員がビーコンを携行していて、更に、使い方を習得していること

単独で雪山に行くならば、雪に埋もれた時に助けてくれる人が近くにいないため、ビーコンを持っていても役に立たないでしょう。

複数で雪山に行っても、埋没者か捜索者のどちらかしかビーコンを持っていなければ、やはりビーコンは役に立たないでしょう。

更には、雪山に行くパーティーの全員がビーコンを持っているとして、捜索する時の使い方を知らなければ、ビーコンは結局役に立たないでしょう。

なので、雪山に行く際は、単にビーコンを持っている必要があるだけでなく、使い方を習得する必要もある訳です。

ビーコンをどう使うか?

状況に応じて2つのモードを使いこなす

使い方を習得するまでもなく使える発信モード

ビーコンは、万が一雪崩に巻き込まれてしまった場合の備えとして、通常は電波を発信する発信モードで使います。

そのためには、スイッチを発信モードの位置に合わせるだけでよく、これだけなら特に難しくもなく、機種による仕様の違いもさほど問題にならないと思います。

使い方を習得しないと意味がない受信モード

雪に埋もれてしまった人を捜索する場合に、受信モードに切り替えて使います。

受信した電波を基に、埋没者の位置がどちらの方向のどれくらい離れた所かをビーコンが示してくれるので、その方向に進んで行き埋没者の位置にたどり着くことができます。

ですが、その過程は、カーナビのように地図があって道ができている訳ではありませんし、特有の曲線を描いて近付いて行きますので、つまり埋没者の所まで一直線に導いてくれる訳ではありませんので、捜索時の使い方を習得するには、付属の取扱説明書を読んだり経験者に教わったりしながら、ある程度の練習が必要になります。

捜索時の使い方の習得がやさしいか難しいかは機種の仕様や機能や性能によって異なり、後でお話しするように、捜索時の使い方を習得しやすいデジタル式が初心者にはおすすめです。

機種やメーカーが違っても機能するか?

機器の側ではなく使う人の側に起因する

ビーコンに使われる電波の周波数は国際規格の457kHzに統一されていますので、どのメーカーのどの機種でも、機器の側としては問題なく作動します。

携帯電話で、契約会社が違っても、電話機のメーカーが違っても、問題なく通話できるのと同じことです。

ですが、使う人の側の問題として、ビーコンを初めて触る人が取扱説明書を相手に使い方を独自に学ぶことは難しいかもしれず、使う人が満足に使えないために残念ながら役に立たないことは考えられます。

それを避けるためには使い方が解っている人に教えてもらうのが一番なので、選ぶに当たっては、機器として機能や性能が優れていることや、価格が安いことも気になるかもしれませんが、一緒に山に行く仲間のリーダーさんや参加するツアーのガイドさんのような同行者と同じ機種にすることを優先させた方が実用的で賢いかもしれません。

機能が豊富な上位機種と簡素化された下位機種のどちらが良いか?

捜索時の使い方を習得しやすい下位機種が良い

機能が豊富だと魅力的ですが、使いこなすことができて初めて役に立ちます。

何事でも、新しい事を習得する時は段階的に進めて行くのが常道です。

先ずは、捜索時の使い方を習得しやすい下位機種を選ぶことをおすすめします。

下位機種の方が安い価格設定になっていますし、使い方を習得すれば下位機種でも十分に役に立ちます。

どの様なビーコンを選べば良いか?

1.発信モードへの自動復帰機能は必須(再度の雪崩の発生に備える)

埋没者を捜索している最中に雪崩が再び発生しないとは限りません。

捜索時の受信モードにおいては電波は発信されませんので、この時に雪崩に巻き込まれてしまったら、自分の居場所を知らせることができません。

受信モードになっている時に、状況に応じて、人為的に操作しなくても発信モードへ自動復帰する機能は必須です。

2.デジタル式がおすすめ(使い方を習得しやすい)

受信した電波を解析してどちらに進めば良いかを絞り込む作業を、機械がやってくれるのがデジタル式、自分の頭でやらないといけないのがアナログ式です。

複雑な作業は機械がしてくれて、捜索時の使い方の習得がはるかにやさしいデジタル式の方が断然おすすめです。

ちなみに、アナログ式の利点は遠く離れた所の電波も拾ってくれることで、デジタル式だと圏外でもアナログ式だと作動してくれることもあります。

なので、遠く離れた場所ではアナログ式、ある程度近付いたらデジタル式に切り替えられる物もありますが、これだと、アナログ式とデジタル式の両方の操作方法を習得しなければならず、未経験者にとっては現実的ではありませんので、デジタル式だけを選択の対象にして構いません。

3.アンテナが3本の物を(捜索の正確さとスピードが増す)

ビーコンから発信される電波は立体的に、つまり三次元的に広がって行きますので、受信するアンテナの数も三次元的に3本あると、正確さが増し埋没者を速く見付けることができます。

アンテナが2本や1本しかないビーコンは選択肢から外します。

4.複数捜索機能もあること(複数の埋没者を効率良く探し当てる)

埋没者が複数の場合、それぞれから発信される電波を平等に扱ってしまうと、瞬間瞬間で進むべき方向がコロコロと変わり、どちらに進めば良いか判断が付かなくなってしまいます。

そうならないように、一番強い電波の発信源だけに限定して進むべき方向を示してくれたり、一番目の場所を特定したら、そこから発信される電波は無視して、二番目に強い電波の発信源の方向を示してくれる機能があると対応しやすいです。

5.電波受信範囲が大きいに越したことはない(速く捜索できる)

数値が大きいほど捜索時に威力を発揮することを意味しますので、他に優先すべき要素が無ければ数値が大きい物をお勧めします。

6.表示はLED仕様がおすすめ(表示が見やすい)

雪が降っていたり暗かったりする時でも表示が見やすいLED仕様の物がおすすめです。

LED仕様でなければ液晶+バックライト仕様で、こちらがダメな訳ではありませんので必須ではありません。

その他の比較ポイント(これらが埋没者の生死を分ける要因にはならない)

これまでにお話ししたうち、1は自分の命を守るために必須の機能ですし、2~6の5つは場合によっては埋没者の生死を分ける要因になり得ます。

一方、これからお話しすることは、そのスペックの差によって埋没者の生死が分かれることはありませんので、どれを選んでも支障はありません。

使用電池の種類(気にしなくても大丈夫)

使用電池は、単4アルカリ電池を3本か単3アルカリ電池を1本使う物のどちらかがほとんどで、問題なく手に入ると思います。

もしも予備電池の種類を統一するために、例えばヘッドライトのような電池を使う他の装備と同じ規格の電池が使われている物を選ぶというならば、そのような考え方も悪くありません。

重さ(影響は少ない)

重さはどれも200g前後で、軽い物だと170gくらい、重い物だと250gくらいあります。

単3アルカリ電池1本仕様の物が比較的軽く、単4アルカリ電池3本仕様の物が比較的重い傾向にあります。

軽いに越したことはありませんが、スマホを一台持ち歩くようなもので、重さの違いから来る影響は少ないと思います。

稼働時間(どの機種も支障なく動き続ける)

使われる電池に関わらず、稼働時間は短い物でも発信モードで200時間、受信モードで15時間あります。

雪に埋もれてしまったら200時間も経たないうちに死んでしまうでしょうし、捜索を15時間も続けたらヘトヘトに疲れてしまうでしょうから、実用的にはどれも十分な稼働時間があると考えて大丈夫です。

大きさ(どれも似たようなところに落ち着いている)

大きさはどれも、ザックリと手のひらサイズです。

大き過ぎれば邪魔になりますし、小さ過ぎれば表示が見づらかったり手袋をはめた手で操作しづらかったりするため、結局どれも似たような大きさになるのだと思います。

大きさを特に気にする必要は無いと思います。

おすすめ3選

比較表

メーカー名:
機種名
bca:
トラッカーS
アルバ:
エボ5
オルトボックス:
ズームプラス
自動復帰機能
デジタル式
3本アンテナ
複数捜索機能
電波受信範囲50m50m40m
表示LED液晶 + バックライトLED
使用電池単4アルカリ電池×3本単3アルカリ電池×1本単3アルカリ電池×1本
重さ205g170g180g

bca:トラッカーS

デジタル式ビーコンを世界で最初に出したbca(バックカントリー アクセス)社の初心者向けの機種。

受信範囲はそれなりに広く、LED表示で見やすく、操作もしやすい。

電池交換時には小さいマイナスドライバーが必要。

出典:bca公式
BCA TRACKER S / アバランチビーコン トラッカーS 雪崩救助用品

アルバ:エボ5

初心者向けで、今ある中では最小最軽量クラスの機種。

受信範囲はそれなりに広く、画面はバックライト付きの液晶なれど、操作はしやすい。

出典:アルバ公式
ビーコン ARVA アルバ エボ5 EVO 5 山スキー 雪崩救助用品

オルトボックス:ズームプラス

見やすいLED表示で、操作も簡単な初心者向けの機種。

電波受信範囲は比較的狭い。

出典:オルトボックス公式

備えあれば憂いなし

ビーコンはもしもの時に威力を発揮してくれる有用な装備です。

ですが、的確に操作できなければ使い物になりません。

なるべく簡単に使い方を習得できるビーコンを選び、備えを万全にして、雪山を安全に楽しんで下さい。

BCA TRACKER S / アバランチビーコン トラッカーS 雪崩救助用品

この記事を書いた人

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丹羽 英之

登山歴は20年以上。山岳展望や花(高山植物)を見ることが好きで、北アルプスの雲ノ平周辺によく行きます。一人で山に登ることが多く、気ままに山道を歩き、心の癒やしやリフレッシュをすることも登山の目的の一つです。

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